「タイトルなし(ネタバレ)」カンバセーション…盗聴… りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
クリックして本文を読む
米国サンフランシスコのユニオン広場。
さまざまな人が屯するなかを、若い男女のカップル(フレデリック・フォレスト、シンディ・ウィリアムズ)が肩を並べて歩いている。
何やら会話するふたりを、まるで狙撃するようにビル屋上から狙っている男がいる。
ほかにも、眼鏡をかけた男(ジーン・ハックマン)や紙袋をもった男が、ふたりの周りを行き来している。
彼らは、ふたりの会話を盗聴・録音する音響保全技術員、すなわちプロの盗聴屋だった・・・
といったところからはじまる物語。
まず、冒頭の長い長いワンショット。
狙撃するようにふたりの会話を狙うシーンが素晴らしい。
物語は、プロの盗聴屋が、プロであるがゆえに最後の最後に陥穽に嵌まってしまう恐ろしいスリラー。
盗聴した会話の繰り返しが、スリルを宙ぶらりんの状態で盛り上げ、緊張感を高めていく。
が、主人公、プロのくせに、安易に仕事場を仲間に開放しちゃう。
保全意識が低いぞ。
自身の仕事っぷりを披露したい欲望に負けちゃあダメだぞ。
さらに、会話の内容を聞き入っちゃあいけないぞ。
その上、下手に仏心を出してしまうから、こんなことになっちゃうわけで。
うーむ、プロフェッショナルらしからぬところも目立つんだよなぁ。
自己コントロールが図らずも出来ない主人公は、コッポラ自身を投影しているのかもしれませんなぁ。
とはいえ、ショットの繋ぎ、ラストの長廻しなど、演出はすこぶる上手い。
※ネタバレ※
主人公、最後は嵌められ、逆盗聴されているように見えるが、実は盗聴されているわけではなく、電話口の後ろでレコードが流れているだけではないかしらん?
だから、盗聴器は見つからない・・・
コメントする