カリブの熱い夜のレビュー・感想・評価
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カリブの馬鹿な夜
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①ラスト、クローズアップのレイチェル・ウォードが美しい。それだけの映画。②この映画のオリジナルである『過去を逃れて(Out of the Past)』が検索しても出てこないので、ここで述べます。③40年代フィルムノワールの傑作としてアメリカでは評価の高い『過去を逃れて』。その評価ほどには感心しなかったが、ラストのロバート・ミッチャムの選択は確かにフィルムノワールらしいかも。④最後まで正体のわからない美女(結局は大した悪女だとわかる)に扮したジェーン・グリアの代表作だろう。⑤この悪女を巡る人間たちの悪業を淡々と且つ冷ややかに描いた本作に比べると、リメークの『カリブの熱い夜』が如何にも甘ったるくて酷評だったのが納得できる。⑥アンを巡るエピソードがどうして必要だったのかは、ラストで解き明かされる。基本的に人間の悪の面を描くフィルムノワールだが、当時映倫の厳しかったハリウッドではその悪を映画の中で悪魔払いをしなければならなかった。(『郵便配達は二度ベルを鳴らす』で黒い心を持った悪女であるラナ・ターナーに天使の白を着せたように。)⑦ラスト、ロバート・ミッチャムが道行きの相手として”似た者同士“の悪女ジェーン・グリアを選び、助手に嘘をつかせてまで善女(天使)のアンが同じく善人のジムを選ぶように仕向けて悪魔払いするために、アンの存在は必要だったのだ。
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