劇場公開日 2012年11月3日

「マットに咲く二輪の花」カリフォルニア・ドールズ みつまる。さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5マットに咲く二輪の花

2015年4月20日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

『特攻大作戦』など男性向けアクション映画の雄ロバート・アルドリッチが、2人の女子プロレスラーと、どうにも胡散臭そうな敏腕マネジャーとが全米各地をドサ回りの旅で流れ歩いて行く様を丹念に描き出したスポ根ドラマ。
ロードムービーの側面もあり、プロレス興行の困難さ(特にファイトマネーの問題)が切実に迫って来る。

どうしてもアメリカン・ドリームを掴む物語となると、『ロッキー』と比較してしまいがちになるが、まだまだ女性の立場が弱かった時代だったからこそ、ドールズたちの人生と青春を賭けた満身創痍での戦いは、より深い感動を生む。

飄々とした味わいを、醸し出しているマネジャーのハリー役を演じるピーター・フォークの存在感も、忘れがたい印象を残している。ドールズたちに歯に衣を着せぬ物言いで接する彼だが、心根は優しく、何かと言うと格言を持ち出すところが微笑ましい。
今や3人は本物の家族以上に固い絆で結ばれている。

そんなハリーがつい高額のファイトマネーに目が眩み、ストリップショーまがいの泥レスの試合を引き受けてしまう。
試合後、大勢の観衆から笑い者にされたことで悔し涙を流すアイリスの姿に思わず同情してしまう。
そう言った鬱積したものを一気に解消してくれるのが、クライマックスでのタイトルマッチ戦。
小林幸子かと見間違うほどのド派手な衣装に身に包んだドールズたちの入場シーンからもう最高のノリだ。
これにはセッド・ジニアスだってぶったまげるぜ!
そして、スタントを使わない2人の女優たちの渾身の試合シーンは臨場感たっぷり。こちらも思わずヒートアップしてしまい、思わず熱い声援を彼女たちに送りたくなった。

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みつまる。