劇場公開日 2018年7月21日

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「アルマは彼女の中の空想の人格ペルソナに過ぎない」仮面 ペルソナ あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0アルマは彼女の中の空想の人格ペルソナに過ぎない

2019年3月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

かなり前衛的で難解な映画だった
だが自分なりの解釈で意味が解ると腑に落ちた
するとなんだかわからない感動が沸き上がっていた

自分なりの解釈はこうだ
エリザベットのみが実在している
アルマは彼女の中の空想の人格ペルソナに過ぎない
女優として様々な役作りをしてきて、誰かに成りきることは常のことなのだ

なので、終盤アルマの長いエリザベットへの語りかけが、カメラを2回繰り返されるのだ
だから監督のカメラが写るのだ
エリザベットは女優としての職業病の中で無限地獄のように閉じ込められアルマという役を与えられてどのように演じれればよいのかを模索しているのだ

少年は実在する息子のことだ
磔刑のキリストはアルマに神に見捨てられたように感じないかと語らせている
冒頭と中篇の前衛的なシーンは役作りの開始とやり直しを示している

そのような目で見れば多くのヒントが映像に示されていた

アンデショーンとウルマンとの火を吹くような演技合戦
美しい階調で撮られた映像
イングマール・ベルイマン監督の凄さを今更のように思い知らされた
恐ろしい程の傑作だ

あき240