ガタカのレビュー・感想・評価
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個人的ベスト3
SFだけど、超近未来っていうより、現代の未来って感じの設定が好きです。
SFドラマでSF目当てで見ると「あれ?」て思われるかも。
内容でいったらドラマ映画と互角ぐらいのドラマ性が良く出来ていて、
時間が過ぎるのがあっという間でした。
遺伝子操作が当たり前の未来、主人公ヴィンセントは
遺伝子操作されずに生まれたが故に寿命は短く、
親にも失望される始末。のちに弟が遺伝子操作で誕生し、
将来を期待されるのを横で見ているヴィンセント。
何やっても弟にヴィンセントは勝てずにいたとき、
ある度胸試しをして弟に勝ち、これを期に家族と決別し、
一人生きていくことになる。
小さいころからの夢だった宇宙飛行士になるべく「ガタカ」に行くが、
遺伝子検査で門前払い。せめてもの思いでガタカの清掃員になるが、
宇宙飛行士の夢は諦められずにいたとき、
あるツテを使いガタカに社員として働くことになるが・・・。
実際の未来もこんなことになるのかちょっと怖さを感じました。
俺なんてダメ人間じゃんみたいな。
この映画で初めてジュード・ロウを知りましたが、めっちゃカッコいい。
すごいオーラを感じました。あれだけカッコ良ければ遺伝子操作されて
生まれてきたのも頷ける容姿ですね。
主人公のイーサン・ホークが喰われているように見えてしまう。
肌の垢をとり、爪切ったりして他人になり済ますのは大変そうで、
それを毎日繰り返すのはとても根気いることだと思い、
それだけ自分の夢を実現するために努力することを
惜しまないヴィンセントに、何か「夢を諦めなければ叶う」って
言っているように感じました。
ラストシーンはとても悲しい。でも強い熱い思いが伝わってきて、
その生き様見せてもらいましたって感じで好きです。
最後の手紙の中身がまつ毛だったら、完全に泣いていました。
優しい映画
手塚マンガにありそうな、大人向けの優しいSFミステリーという感じです。
はじめに一人死ぬので、そこから激しい展開になるかと思いきや、最後までまったり進むので不完全燃焼のポイントになってしまうかも。
みんなに偽装がバレないかハラハラはあるものの、途中から「あれ?もう半バレやん」というところもあり視聴者側の「バレないようにしなきゃ」という気持ちが置いてけぼりな感もあります。
個人的には宇宙へ飛び立つ前に、もう少し激しい展開があってもよかったんじゃないかなと思います。
それぞれのキャラの思惑がありながらも、荒ぶったことをやらずに全体的にどのキャラも優しい。
優しいが故に引き込ませる展開は少ない。
作品の意図としては、現代の差別の延長、近未来に起きるであろうDNA差別への警鐘でしょうか。
そういった者(主人公)へも最終的に受容する結末は意味あるものと言えるかもしれません。
しかし、それなら車椅子の彼も最後自殺の展開にしなくても良かったんじゃ…。
またさすがに90年代の作品なので、なんで車椅子の昇降機がないんじゃいとか、DNA判定する時のモニターがVHSぽいなとか色々ありますが、そこらへんの細かいディティールにイチャモンつけるのは野暮でしょう。
警察から逃れて暗がりでキスするシーンはグッと来るものがありました。あそこのシーンを撮りたかったんじゃないか、というくらい見所です。
全体を通して欲を言えばもっと振り幅を観たい作品でした。
DNA
自分の可能性を信じ抜け。
必死に叶えたい夢があるのなら、どんな逆境にでも、運命にでも、遺伝子にさえも抗える。主人公の泥臭くあがく姿に感動し、涙腺が緩んだ。
また、そうした熱量は人に伝染する。ジェロームもそう、検査を行なう博士もそうだ。人々に生きる勇気と夢を与える。
自分の可能性を信じて、全力で生き抜く。後ろを振り返らず、荒波を超えても必死で泳ぎ続ける。生まれながらのハンデを、後天的な努力で覆す。そんな主人公の姿は、どんなイケメンや金持ちよりも、かっこいい。自分もああなりたい。
最後のシーンは震える。遺伝子に抗い、可能性を信じ続けていたのは、主人公だけではなかった。検査士が最後に「早くいかないと遅れるぞ、ヴィンセント」と名前で呼びかけたシーンは、本当に感動する(字幕で出ていないのは、惜しい)。これまで偽り続けてきた自分ではなく、ありのままの「ヴィンセント」として最後宇宙に飛び立つ。この映画、名作すぎる。
※Netflixで見ましたが、所々字幕が残念でした
【”叶わぬ夢を叶えるために・・。””不適正者”の諦めぬ心と、それを理解し支える”適正者”達の善性を描いた品格高きSFヒューマン映画。若き、イーサン・ホークとジュード・ロウの美しさも魅力です。】
ー 舞台は、そう遠くない未來。
出生直後に、寿命、将来に患う疾患が判明し、”適正者””不適正者”に分別される社会。
宇宙飛行士になる夢を持つ、ヴィンセント(イーサン・ホーク)は、そんな社会に生を受けた。
寿命30数歳の”不適正者”として・・。ー
◆内容は、これだけの名作であるので割愛。
◆特に好きな場面のみ、記す。<内容に触れています。>
・ヴィンセントが、全裸で全身の産毛を毎日、剃るシーン。
ー ”不適正者”である事を隠すためと、宇宙飛行士になる夢を叶えるために・・。ー
・ヴィンセントの身代わりになった水泳界のスーパースターだったが、”事故”により、両足が動かなくなってしまった”適正者”ジェローム・モロー(ジュード・ロウ)が、最初は金のために身代わりを引き受けるが、ヴィンセントの姿を見ているうちに、積極的に彼に協力するようになって行く姿。
ー ラスト近く、ヴィンセントの土星への宇宙飛行が決まった後、彼は旅に出る。そして、ヴィンセントに言った言葉。
”身体を貸す代わりに、夢を貰った・・。”ー
・ガタカで働く”適正者”アイリーン(ユマ・サーマン)との恋に落ちるヴィンセント。だが、アイリーンは彼が”不適正者”だと、気づき・・。
ー “ソーリー・・、風にさらわれた・・”と”毛髪を指から落とし”相手に言う、前半と後半のシーンの構成の妙。ー
・ヴィンセントの上司の殺人事件の捜査に来た捜査官アントン(ヴィンセントの弟で、ヴィンセントは年齢的に死んでいると思っていた・・)の兄との邂逅シーンで描かれる、沖へ向かっての遠泳のシーン。若き二人が行っていた”度胸比べ”シーンとの、相関性。
・ヴィンセントが、漸く土星に出発直前の抜き打ち尿検査で、医師が彼に語った言葉。
”私の息子は、遺伝子に問題がある・・。”
そして、ヴィンセントの検査結果を操作し、”適正者”判断を下し、
”遅れるぞ・・”
ー 毎回、このシーンで涙が出る・・。ー
<若き、イーサン・ホークとジュード・ロウの男の美しさ。ユマ・サーマンも・・。
そして、今作は夢を諦めない”不適正者”の男を支え、彼の夢を叶えさせる”適正者”達の”不適正者”を見下さない、品格高き姿が、素晴らしい作品である。>
<2000年以降、ビデオなどで複数回、鑑賞>
<2021年7月11日 別媒体にて、久しぶりに鑑賞>
真の生まれ故郷
最後の最後に地球に残る理由を見つけるなんて…
愛あり、友情あり、美しい映画
おしゃれ
強く生きる
遺伝子操作が可能になり、産まれた時には適合なのか不適合なのか差別される近未来SF。
遺伝子操作というSF的な要素に実験的要素を感じる世界観がSF好きの自分にはたまらん!そして作風は静かで人間ドラマが中心の「静かなるSF」(自分で勝手に作った造語)
これだけでも最高なのに、ストーリー展開がサスペンスやラブストーリー、人情などの作品を盛り上げる要素がたっぷり!
終盤には伏線回収もあり、ラストはジーンとくる。
欲を言えば視覚効果に物足りなさを感じたけど、昔の映画なので仕方ない。
観終わってから知ったけど、今作はアンドリュー・ニコルのデビュー作らしい。
これでデビュー作って凄いな…
ってことでアンドリュー・ニコルは注目監督の1人になりました。
考えさせられる作品
生れた時からDNAで寿命や死因まで割り出され、優劣が決まってしまう近未来。前時代であれば、肌の色で差別するに等しい。
劣性判定でも、目標に向けて生きるイーサン・ホーク。クールな名演。そんな彼にはDNAブローカーが紹介した最高級遺伝子をもつジュード・ロウが付いた。彼は、イーサン・ホークの成功で自分の価値を証明したかったのかも。
出演者がみんな冷静にクールで暗くなりがちだが、ユマ・サーマンが彩る。「キル・ビル」の激しさはなかったが芯の強い適役。この映画では彼女の行く末も気になる。
主人公が本当のDNAを隠す涙ぐましい努力と節制。体毛を全部そぎ落とし燃やしてしまうオープニングがその象徴。それでも、最終的には自分のDNAで目標をクリアしようとした。ザンダー・バークレイの技師の粋な計らい(このシーンは感激)もあり目標達成。自分のDNA確率を乗り越え、本当の彼自身の鍛錬が結実した瞬間だ。
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