劇場公開日 1952年9月4日

「クソ女の痛快大作ホームドラマ」風と共に去りぬ 越後屋さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0クソ女の痛快大作ホームドラマ

2025年1月8日
PCから投稿

結論を先に言えば滅茶苦茶面白い世紀の大傑作です。

「オハラちゃんのバカっぷりが耐えられない」という、ふた昔前までには決して聞けなかった本音に近い感想が散見されるのは最近のSNS普及のお陰であって、全くご同慶です。

「どんな逆境にも決して屈しない自立した女」みたような評価が跋扈していますが、見当違いも甚だしい。こんなとんでもないクソ女は滅多にいません。同情ゼロ。ザマー見ろです。

やたら「私は負けない」みたいなカラ元気を喚き散らしてますが、どうせまた毒をまき散らすだけで、第三者として無責任に観ている観客としては面白過ぎます。

但し、そのクソぶりが堂に入っていて、バトラー先輩のニヤけた軟派ぶりとのクソ男女相乗効果に、それに反した二人の圧倒的な美女美男ぶり、湯水のごとく金を使ったバブリーな製作方針、山あり谷ありの高速ストーリー展開、南北戦争を背景にした大河な時代背景、などなど世紀の傑作に恥じない見どころてんこ盛りです。

クソ女だから嫌い、ではなく、クソ女なのに、或いはクソ女だからこそこんなに面白い、と逆説的に考えながら「金をやたら使った、できのいい朝ドラ風大作コメディ」として鑑賞すれば面白さ一万倍です。

追伸 日本で撮るなら板妻か三船、原節子かデコちゃんで決まり。

越後屋