「ジワ怖アニメ」風が吹くとき 吹雪まんじゅうさんの映画レビュー(感想・評価)
ジワ怖アニメ
本作は埼玉県川越にある、創業から約120年の歴史を誇るスカラ座にて鑑賞致しました。明治38年に寄席「一力亭」として開業、昭和15年に映画館「川越松竹館」に、38年に川越スカラ座へと改称。スクリーンは一つのみ、客席数124席のいわゆるコミュニティシネマです。
外観、内装含め昭和の香り漂うレトロな雰囲気。客席は段差があまりないフラットなタイプですが、スクリーンは割と大きく見やすかったです。場内暗転の際には「ブビー!」というブザー音が流れます。普段はシネコンでは上映されない作品や、過去の名作のリバイバル上映などやっています。最近では「オペラ座の怪人」「デモンズ」など。
さて、珍しく映画館情報から始まったのには事情がありまして。このスカラ座、資金難により早ければ2年後に閉館してしまうそう。現在「川越スカラ座閉館回避プロジェクト」を実施中で、LINEスタンプや川越スカラ座グッズの購入による支援が可能です。(詳細はHPにて)館内にて募金も行っております。ご興味を持たれた方には是非、この独特な雰囲気の映画館を味わっていただきたいです。
はい、レビュー始めます。
エンドロールが涙で見えねぇ…!普段から持ち歩いている「涙拭きハンカチ」が大活躍です。
政府の言いつけに愚直なまでに従い続ける老夫婦。徐々に被爆の恐怖と絶望的な状況が二人を追い詰めていきます。「政府がそう言ってんだから」で納得しようとするのは少し短絡的な印象がありましたが、私もそうなっちゃうかな…。シェルターについては「ゾンビが押し寄せて来た時の為のやつでしょ?」くらいにしか考えていませんでしたし。
時代背景を全く知らない私には少し難しかったです。ソ連やら第二次世界大戦の話等、歴史に疎いせいかちょっとついていけなかったです。
淡々と描かれる絶望と恐怖は下手なホラーよりよっぽど恐ろしかったです。終盤はトラウマ級。あまりに悲しいラスト。実写とアニメの融合という挑戦的な映像も見所の一つでした。