劇場公開日 2024年8月2日

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「世界中でなるべく多くの人に観て知ってもらいたい」風が吹くとき りあのさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0世界中でなるべく多くの人に観て知ってもらいたい

2024年8月15日
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鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

知的

核爆弾の怖さを描き、1986年イギリスで製作されたアニメ作品。
イギリスの田舎で定年後平穏に暮らすジムとヒルダの老夫婦は、二度の世界大戦を経験し、子どもも育て二人での生活を送っていた。そんなある日、ラジオから3度目の世界大戦で起こり核爆弾が落とされると放送が有った。ジムは政府が配布したパンフレットに従って戸を壁に立て掛けシェルターを作った。しばらくすると、凄まじい爆風に襲われた。瓦礫の中で生き延びた2人は、シェルターでの生活を始めたが・・・さてどうなる、という話。

ほとんどが、ジムとヒルダの2人の会話劇なんだけど、声優が森繁久彌と加藤治子と、なかなか味が有った。
水が無くなり、トイレが流せなくなり、冷蔵庫が使えず、放射能の影響が体に出てくるところまでなんだけど、充分原子爆弾の恐ろしさは感じることが出来た。
広島に住んでて、身内に被爆者が居た者としては、こんなに軽いか?あんなのがシェルター?なんて思ったけど、これくらいでもまず知ってもらうことが大切なんだろうと思った。
公開された時期的に東西冷戦の頃だから、ソ連にやられた事になっていたが、途中からロシアって言ってたのはなぜなんだろう?
翻訳のミスかな?
現在、ロシアがウクライナへ侵略戦争を行ってるタイミングであり、核爆弾が使用される危険性が高まってる今こそ、世界中で可能な限り多くの人に観てもらい、核爆弾の、放射能の、恐ろしさを知ってもらいたい、そんな作品でした。

りあの
pipiさんのコメント
2024年8月29日

1920年代生まれであるはずのジムとヒルダにとっては、時代はソ連に変わったとわかっていても、意識はずっと「ロシア」なのだと思います。将校さんの娘だった近所のお婆さんは80年代でもずっと「ロ助」って言ってました。
ソ連とロシアの台詞使い分けはジム達の心情描写だと解釈しました^_^

pipi
きりんさんのコメント
2024年8月17日

岸田総理が引退するけれど、
あの人が各国の首脳たちを広島の「原爆記念資料館」に連れて行ったのは世紀の大事業。
最大の功労だったと思います。
よくやった。

きりん
LSさんのコメント
2024年8月17日

コメントありがとうございます。シェルターの件、書いていたら長くなったので自分のレビューに追記しました。

英国の映画だとThreads(1984)もありますが、おっしゃる通り、本作(1986)は原作コミック(1982)も含め、核兵器の惨禍について広い世代に知ってもらう意義があったのではないでしょうか。
ちなみに中国四国地方には戦後英連邦軍が駐留し呉に司令部がありましたが、そこから広島の被害は伝わってはいないのでしょうかね。(軍事機密?)

ロシア呼びについては、007シリーズやロシアハウス、レッドオクトーバーなどスパイ・謀略映画で印象に残っています。(全部ショーン・コネリーだw)

LS
Mさんのコメント
2024年8月15日

表題、全面的に賛成です。
私も、森繁さんと加藤さんならではの味わいだと感じました。

M
LSさんのコメント
2024年8月15日

英語圏でも正式にはSoviet Unionですが、カジュアルにはロシア(人)と呼んでいた印象があります。ソ連を構成する最大の共和国だったし、日本人が連合王国と言わずにイギリスと呼ぶみたいなものでしょうか。

LS