青春の旋風
解説
ハミルトン・ギップス作の小説をジュリエン・ジョセフソンが脚色し「鉄条網」「美わしの踊り子」等と同じくローランド・V・リーが監督したもので、主役は「神我に二十銭を賜う」「心の合鍵」等出演のロイス・モーランが演じ、「肉体の道」「弥次喜多海軍の巻」出演のドナルド・キースが相手役を勤め、ラリー・ケント、ヴェラ・ヴォロニナ、チャールズ・レーン、ギャレス・ヒューズ等が助演している。
1927年製作/アメリカ
原題または英題:The Whirlwind of Youth
ストーリー
1914年の初夏のことだった。英国の一寒村に住む画家ジェームズ・ホーソーンの一人娘ナンシーは父に学んだ絵画の道を更に研究するためフランスの都パリへ赴いた。そしてアメリカ人でコーネリア・エヴァンスという同じ道にいそしむ娘と近づきにんった。コーネリアにはロイドという弟があって英国に留学していたが夏期休暇を利して英国人の友ボップ・ウイテイカーと連立ってパリへ遣って来た。コーネリアは弟たちを歓迎する舞踏会を開いたがその折18歳のナンシーはボップに魅せられてしまった。それは抑え様としても能わぬ激しい初恋であった。ところがボップは素行のおさまらぬ女蕩しでロイドとは正反対の性格であった。しかし恋は異なものでナンシーは君子のロイドとは単に友人としてしか交際しなかった。女ずれのしたボップには純真なナンシーを操ることは容易だった。しかし無垢な処女の献身的愛は遂にボップの女に対する考え方が誤っていたことを教えた。そして彼は自分はナンシーの愛を受ける資格のない男であることを感じ早々に旅装を整えて帰国してしまった。ナンシーは彼女を愛するロイドの親切には感謝したが彼の愛を受け入れるには彼女の心はボップへの燃ゆる思いに満ち満ちていて余地がなかった。しかし彼女と離れたボップにも胸をやく煩悶があった。彼はナンシーに逢って初めて真の愛をしたのだった。そして彼の遊蕩癖も立ちどころに消えて、過去に侮恨とナンシーへの思慕とに悩ましい日を送った。その時世界大戦が始まった。ボップはロイドと共に出征した。そして明日はいよいよ最前線の戦闘に参加するという日赤十字の死傷者運搬自動車を運転しているナンシーと遭遇した。2人のお互いに対する強い愛はお互いの胸に感じ合った。譬へ明日戦死なさろうとも、という堅い覚悟のナンシーはボップを説いてその場で結婚した。それから数年後ロンドン行きの列車にはボップと共に愛児を抱いたナンシーが乗っていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ローランド・V・リー
- 脚色
- ジュリエン・ジョセフソン
- 原作
- ハミルトン・ギッブス
- 撮影
- G. O. Post