ガス燈のレビュー・感想・評価
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【”屋根裏の散歩者。”全編に漂う若き美しい夫人を精神的に悩ますガス燈の仄暗くなるシーンや彼女の夫になった男の不可思議なる行動る、言動に魅入られるサスペンスミステリー作品。】
■ロンドンのソーントン広場。人気歌手だった叔母アリスが何者かに殺され、その遺産を相続したポーラ(イングリッド・バーグマン)は、留学先で知り合った音楽家のグレゴリー(シャルル・ボワイエ)と結婚する。 二人は亡き叔母の家で暮らし始めるが、やがてグレゴリーはポーラの物忘れの激しさを指摘。ポーラは次第に不安と焦燥感に苛まれて行き精神的に不安定になっていく。 ◆感想<Caution!内容に触れています。> ・最序盤の男が女性を襲う影絵のシーンから、物語の流れが何となく予想できてしまったが、そのまま鑑賞。 ・若きイングリッド・バーグマン演じるポーラが、愛していた人気歌手だった叔母アリスの死体を発見した事が冒頭で、ナレーションで語られる。 ー で、観る側は彼女のトラウマと、彼女が神経症ではないかという思いに捕らわれる。- ・ポーラに近づいて来た留学先で知り合った音楽家のグレゴリーは、最初は彼女に優しく接するが、徐々に彼女の物忘れ癖などをさり気無く指摘し、彼女を精神的に追い込んでいく。 ■だが、迷宮入りになっていたアリスの殺人事件を密かに探っていたブライアン・キャメロン警部(ジョセフ・コットン) 彼は、幼い時から人気歌手だったアリスのファンであり、彼女の手袋の片方を貰っていた事が、劇中さり気無く語られる。巧いなあ・・。 ・後半、グレゴリーがドンドンポーラを精神的に追い詰めて行く姿。 ー 手伝いのナンシーなどの姿などが、観ている側を惑わせるが、彼女が付き合っていたのはブライアン・キャメロン警部の配下の警官であった。 ■再後半、グレゴリーがポーラに近づいた理由が明らかになるシーン。彼はアリスを殺害した際に、取ろうとしていた宝石を幼かったポーラが物音に気付き、三階から降りてきた事で目標を達成していなかったのである。 <今作は、徹頭徹尾、全編に亙る不穏な雰囲気が漂う中、叔母を殺された若き女性ポーラが真実に気づく姿と共に、ポーラを演じた若きイングリッド・バーグマンの精神病的な心を抱えた女性を演じる姿が、印象的な逸品である。 ガス燈というタイトルも、秀逸であると思った作品でもある。>
アメとムチを4:6で使い分け、じわじわ 苦しめていく気味が悪いスリラー
事件の黒幕が、序盤に出てくる手紙のことでしれっとわかってしまう。そしてわかってしまったために、ここから始まるグレゴリーの執拗で陰湿な辱めが非常に気持ち悪い。 アメとムチを4:6で使い分け、愛をちらつかせながらポーラを苦しめていくのが、観ていて非常にじれったい。愛が絡ませてくるために余計じれったいし、なんだかねちっこい。これがまだ黒幕がわからない状態であるならスリラーとしてシンプルにドキドキできたのかもしれないのに・・・。ただただ陰湿な追い詰め方に気持ち悪さと飽きが来てしまう。黒幕を隠しながらであったならと残念でならない。面白さがあまりない。付け加えて、サスペンス小説好きのおばさんを登場させる必要性はいったいどこに? 本作でアカデミー主演女優賞に輝いたイングリッド・バーグマン、はて、これが名演なのかは甚だ疑問が残る。観ててチープなオーラしか漂ってこない。どこが良かったのかわからない。むしろ主演男優のシャルル・ボイエガの奇妙な面立ちとパフォーマンスにこそ脚光を浴びるべきに思うんですが。 ちょっとの驚きは、美女と野獣(1991)のポット夫人役のアンジェラ・ランズベリーがメイド役でデビューしていたこと。わずかに歌うシーンがあったが、これがミュージカル映画への布石になったのかなぁと想像したら、ちょっと面白い。
麗しきイングリットバーグマン
イングリッドバーグマン扮するソーントン街で叔母を殺されたポーラは歌手になるためイタリアへ旅だった場面から始まる。ところが歌に身が入らないほどポーラは恋をしていた。シャルルボワイエ扮する作曲家グレゴリーと結婚したポーラだが、叔母が亡くなった家で暮らす事になった。 美しく着飾ったイングリッドバーグマンが麗しいね。しかし、グレゴリーによって物忘れが激しいとか精神的に追い込まれていき物憂げになる表情も素敵だったね。恐怖サスペンス的な展開だが、全てにおいてイングリッドバーグマンを観ているだけで満足出来たよ。
ガスライティングという言葉の語源になったというので観たんだけど、思...
ガスライティングという言葉の語源になったというので観たんだけど、思っていたのとは違った。 集団じゃなく単独犯だからそんなに酷い内容でもない。金品目当てのモラハラ嘘つきカス野郎が妻を精神虐待していて、それが明るみになるという内容。 ラストは主人公が恨み言をいうだけででスッキリしない。クソメンが自らの手法で自滅して欲しかった。
今では名前がついて一般に認識されている「洗脳」とか「モラハラ」とい...
今では名前がついて一般に認識されている「洗脳」とか「モラハラ」というとらえどころのない悪意が、この時代の映画でも描かれていることに新鮮な驚きがあった。昔の映画って感情表現とかが劇場的で付いていけないって思うことが多々あるけど、この作品は今のサスペンスと変わらないドキドキ感だった。
思いのままに操られて。
カルト宗教を感じさせるマインドコントロールという巧妙な罠。 人間はとても弱くて、思いのままに操られてしまう。 名作をやっと鑑賞。 イングリッド・バーグマンに初めて会えました。
追い詰められるバーグマンの演技
財産目当ての音楽家の夫に自分は精神病だと仕込まれていく、不安と恐怖の心理表現を巧みに演じるバーグマンの映画。この演技でアカデミー賞を得るが、元々評価の高い戯曲であるし、誰もが予想できた結果なのかもしれない。キューカー監督と共演のボワイエが彼女を支える。
イングリッド・バーグマンの健康的な美しさ。 それだけが目当てで期待...
イングリッド・バーグマンの健康的な美しさ。 それだけが目当てで期待せずに見始めたが、面白い。どんどん引き込まれてしまいました。 人ってこうやって洗脳されていくんだ、現代の犯罪にも通じるところがあり、非常に怖い。モノクロなのが不気味感を増幅、下手なホラーよりよほど怖い。 にしてもやっぱり素敵です、バーグマン。
ただの超絶美人女優ではない
自分は鬱ではないか。そして、自分は鬱なのだ。この段階を演じ別けるイングリット・バーグマンが素晴らしい。ただの超絶美人女優ではないのだ。 最後に精神に異常をきたしたこと(にしたい相手の魂胆)を逆手にとって復讐をするところでスカッとはしなかった。一度は愛した人を犯罪者にする決断をした彼女も、人の心の中に棲む鬼に出会ったことだろう。
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