「【”カジノの真なるボスは誰だ。”冒頭の強烈なシーンからスピーディなモノローグの中イカサマの数々とそれを見抜くシーンの。金、女、薬に嵌った男女が破滅する様をスタイリッシュに描いた逸品である。】」カジノ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”カジノの真なるボスは誰だ。”冒頭の強烈なシーンからスピーディなモノローグの中イカサマの数々とそれを見抜くシーンの。金、女、薬に嵌った男女が破滅する様をスタイリッシュに描いた逸品である。】
■類まれな賭博の才能をマフィアに認められて、ラスベガスのカジノ「タンジール」のマネージャーに抜擢されたサム”エース”ロススティーン(ロバート・デ・ニーロ)。
順調に仕事をこなし着々と”ボスたち”の信頼を得てのし上がっていくが、美貌の浪費家のジンシャー(シャロン・ストーン)を妻に迎え、気性の荒い35年来の旧友ニコラス”ニッキー”サントロ(ジョー・ペシ)との再会が、彼の運命を狂わせていく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・冒頭の、サム”エース”ロススティーンが車に乗った途端の大爆発のシーンから、時は遡り彼が「タンジール」のマネージャーとして、のし上がっていくシーンのテンポ良き展開の面白さよ。
モノローグが流れる中、イカサマの数々を捉えるショットと、それを見逃さないサム”エース”ロススティーンを演じるロバート・デ・ニーロの眼に引き込まれる。
・序でに言えば、ラスベガスのカジノ「タンジール」の実質的ボスたちの意外なる姿や、彼らに金を届けるシーンなどは、絶品である。
・そんな、サム”エース”ロススティーンは超絶美女のシャロン・ストーン演じるジンシャーを口説き、妻に迎えるがこの脳味噌が足りない女は、金は使うは、昔の男レスターが忘れられずに、湯水のように金を使うは、果ては薬にまで手を出す様には、流石のサム”エース”ロススティーンも手を焼くシーンは、可笑しみすら漂わせる。
・更に今作を面白くしているのは、サム”エース”ロススティーン35年来の旧友ニコラス”ニッキー”サントロを演じるジョー・ペシの、憎めない小男のように見え乍ら、破天荒極まりない行為の数々である。
・ジンジャーとサム”エース”ロススティーンの関係が、憎悪に変わった後にジンジャーがニコラス”ニッキー”に助けを求めるシーンから、物語は更に面白くなっていく。
<FBIが乗り出してくる中、”ボスたち”は自分達の利権を守るため、それまで自分達に金を作っていた男達を次々に消して行くシーンも、どこかコミカルですらある。
今作は3時間越えの作品でありながら、全く飽きさせる事無く見せきるマーティン・スコセッシの手腕が炸裂する逸品である。>