カサブランカのレビュー・感想・評価
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名作は、伊達じゃない
女が愛した2人の男。1人は愛した女のために身を引く。もう1人は彼の覚悟と優しさと切なさに裏打ちされた漢気を黙って受け止め、愛する女と去る。
ハンフリー・ボガートのニヒルでキザなダンディズム、イングリッド・バーグマンの目も眩むほどの凛とした美しさ、王道のストーリー展開。それでいい、それだけでいい。
リックのひがみは大きな愛に。
第二次世界大戦時、ドイツがヨーロッパ各地に侵攻し、フランス国民はこぞってパリからカサブランカ経由でビザを取りアメリカへ移ろうとしていた。
そのカサブランカで、
リチャード通称リックという男が、
ギャンブルもできるバーを経営していた。
商売上手な上信頼も厚くフランス警察署長もギャンブルの客だった。
ドイツ人を殺害した反ナチ活動家ラズロを捕まえるべくドイツ人少佐🇩🇪がやって来る。
ラズロが、どこでも通れるドイツ発行の通行証を受け取りにリックの店で仲買人と落ち合うという情報を掴んだからだ。
しかし、その仲買人は、ナチスに捕まえられ殺されてしまっていた。
リックは、イルザと過ごしたパリでの生活が忘れられず非難めいたことを言うが、イルザはわざとのように相手にしない。
しかし、偶然にしろリックに数回会ううちに抑えていた感情が湧き溢れ、リックに会いに行くが‥‥。
ラズロをなんとかして捕まえようとフランス🇫🇷警察と結託して策を練るナチス少佐。
そういう空気を感じてか焦るラズロとイルザ。
お互いに、相手だけでも助かって欲しいと願う二人。
夫であるラズロにはこの地を脱出してアメリカ🇺🇸に渡り助かって欲しいと願うが、
心はリックの元に戻ったイルザ。
夫だったラズロが死んだと聞かされて傷心だった頃に
リックと出会い恋に落ちた。
明日ゲシュタポがパリに入るから逃げようと駅で待ち合わせしたが、イルザは来なかった。別れの手紙だけ。
イルザと最後に会った店もドレスの色も覚えていて会った日数も数えていたとリック。
「あなたとどこまでも行くわ、リチャード。」
事情を察したリックは預かっていたドイツ🇩🇪発行の通行証を二人の為に使おうと決心する。
皆が皆アメリカに脱出しようと願うが、
通常ではなかなか渡れない、一種のコネが無いと。
仲買人を殺したナチの少佐が、ラズロに持ちかける、仲間を売れば出国させてやろうと。
乗る筈無い。
お金がない若夫婦にも味方してますます男を上げるリック。
ナチ軍人たちがバーでドイツ国歌を合唱するのを見て忌々しく感じたラズロ、急遽指揮してフランス国歌の合唱❣️いい奴ラズロ❣️
ヒヤヒヤものだったが、無事二人を逃がせた。
署長も最後は味方。
きっれいなイングリットバーグマンを観るだけでも一見の価値あり。ファッションもボーダーの上下以外古臭さを感じない見事な出立で、現代でも通用するし、実際バーグマンを生で見たらその神々しさに圧倒されるかと思う。
時の過ぎゆくままという曲も有名。
1941/12のこと。
君の瞳に乾杯❣️も有名。
ラブストーリーは別れ方が全て。
内容は、第二次世界大戦下の北アフリカはモロッコ🇲🇦"カサブランカ"で再開する恋人どうしの三角関係の絡れとナショナリズムやリベラリズムが交錯する中で、各々が自分にとって一番に望む事を行動するという美しくも一つ間違えば自分勝手になりそうな物語をタイミング良く絶妙に表現している。印象的な台詞は『君の瞳に乾杯』元ネタがやっと身近に知り得て面白かったです。劇中度々出でくるこの言葉は今の時代も辛うじて残っています。これからは映画の名シーンを思い返しながら、この言葉を使いたいです。一回は言ってみたい台詞です。その他にも名台詞の宝庫で脚本の素晴らしさを勉強させられました。印象的な場面は、リックの店でのナチスドイツ🇩🇪とフランス🇫🇷の国家対決です。魂が震えるほどの感動と当時としては、鬱屈した不満が原動力となったのかもと思うと平和な時代を有難く感じます。印象的な状況は、最後のエンディングで後切れの爽快感と観客の後味の良さにあると思い脚本の苦悩が感じ取れました。畳み掛ける様なテンポの作品でありながら、後半に掛けてロマンスに偏り女優を魅力的に魅せるタイミングとBGMには編集の凄さも感じます。三つ巴のキャラ立ちと葛藤が幾重にも重なり素晴らしい作品でした。葛藤を描く俳優陣の口元や目元が感情を刺激し非常に楽しめました。歴史的名作は本当に楽しいです。
キザなセリフをはく高等遊民なアメリカンの影で多くのユダヤ人が
さて『カサブランカ』は何回か見たが、主人公の心の変わる様が、理解できないでいる。かっこいいと思う事もあるが、本当の旦那の苦労を考えると、結果はこれで当たり前で、主人公の取った行動に賛同するだけ。
ナチスに対する強い抗議行動から、レジスタンス行為には見えない。
もっとも、42年の事だから、主人公をアメリカの姿と仮定するば、仕方ないのだろうが。
さて、飛行機は何故?リスボンなのだろうか?そう、スペインは内戦中で、親ナチスのフランコ政権だった。そして、フランスもこの映画に登場するペタン元帥率いるヴィジン政権だった。だから、フランス領モロッコにナチスが平然と幅を利かせているのである。
さて、この映画の様に簡単に亡命など出来る訳もなく、東欧出身のパルチザン若しくはレジスタンス運動をしていた疑いの有る者は、逮捕されていたであろう。42年はユダヤ人に対するホロコーストがいよいよ牙をむく。こんな高等遊民な、のんびりした酒場で『as time gose by』なんか歌っている余裕など無いのである。ナチスも連合国も。
それが表現できたのは、ハンフリー・ボガートもイングリット・バーグマンも純粋なアメリカンてはないからだと思う。ナチスドイツと同じ民族のヨーロッパ人の色が濃かったと思う。そう、イギリスとかスウェーデンとか、どちらも、アーリア系アングロ・サクソン人(?)。ラテン系ではない。ユダヤ人に対しては、ナチスドイツと同じ様な考えを持っていた可能性はある。ボガートの両親はともにキリスト教原理主義者(?)
言うまでもないことだが、一級のプロパガンダ映画であろう。だって『サブリナ』の時も思った事だが『ボガード』って、イケメンのかっこいい人には見えないけどなぁ。作られたハードボイルド感がどうしても見え隠れする。
ゲイリー・クーパーとかグレゴリー・ペックとかの方が合っていると思うが。だって、イングリット・バーグマンとかオードリー・ヘップバーンですからね…
君の瞳に乾杯
有名なセリフは聞いたことがあるが、見たことがなかったので見てみたら、戦時下の悲恋を描いた秀作だった。
身を賭して元カノと恋敵を逃してやる主人公リックがカッコいい。そして武士のやせ我慢的な、きっと心の中では運命を呪って「なんでだよぉ〜!」と泣きながらな感じがイイ。
反政府リーダーもカッコいいのかもしれないが、生活力のあるリックのほうが非常時には断
然頼り甲斐がある。彼女が逃げられたのも、今は戦争と距離を置き、地元警察の署長とも上手くやって上手く渡世していたからこそ。
そして署長もリックとの普段のなあなあの関係を忘れず(笑)、男の心意気をかってくれる善い人だったので、悲し過ぎるラストにはならずに済んだのもよかった。
ハンフリー・ポガード演じる主人公の粋な選択
舞台は第二次世界大戦中、ナチスの占領から逃れるパリの人々は亡命のため、仏領モロッコのカサブランカへ向かう。
主人公リックはそのカサブランカにて、
酒場兼賭場となっているお店を繁盛させ、
なおかつ困っている人には出国の便宜をはかる
人情家だ。
そこへかつてパリで愛し合った元恋人のイングリッド・バーグマン演じるイルザが
反ナチの活動家である夫のラズロを伴って店を訪れる。
意表をつかれたリックが恋人にとる行動はいかに?
こんな男に憧れるのは私だけではないだろう。
作中の主人公は男のリアルな弱さと思いやり故の狡猾さ・男らしさを上手く描写している。
作中終盤の主人公の選択と行動は恋敵であるラズロもまた真っ直ぐで魅力的だからこその決断とも言える。
逆立ちしてもうなれそうにないカッコいい男性像を見て、憧れを感じた。
Here's looking at you, kid.
Rickの台詞とIlsaの表情と涙が秀逸
こころに残る台詞
はぐらかし方もおしゃれ
Major Strasser: What is your nationality?
Rick: I'm a drunkard.
愛する人に目をそらさずに言う
パリで幸せなとき、パリが占領下で明日が見えないとき、Ilsaに再会しパリのときを取り戻したとき、別れを告げるとき
「君の瞳に乾杯」より深い意味を感じる
軽い感じから、人柄を知る口癖、最後は深い思いを感じる名台詞
Here's looking at you, kid.
格好悪い自分を言える格好良さ
Rick: You understand how I feel. How long was it we had, honey?
Ilsa: I didn't count the days.
Rick: Well, I did. Every one of 'em. Mostly I remember the last one. The wow finish. A guy standing on a station platform in the rain with a comical look in his face because his insides have been kicked out.
こんな愛の告白があるだろうか
戦時下の自国第一のぶつかり合いが描かれる中
利他主義の最たる台詞が切なくこころに響く
Ilsa: But what about us?
Rick: We'll always have Paris. We didn't have, we, we lost it until you came to Casablanca. We got it back last night.
Rickに銃を向けられたLouieが、侵略してきたドイツの少佐を撃ったRickをかばう、対ドイツの連帯から生まれる関係、最後は個人的に信頼できるかどうか
Rick: Louie, I think this is the beginning of a beautiful friendship.
一度は言ってみたい、「君の瞳に乾杯」。
第16回アカデミー賞作品賞受賞作。
Blu-rayで2回目の鑑賞(吹替)。
「君の瞳に乾杯」。あまりにも有名なセリフと共に語り継がれる名作。翻訳史上最高の名文・名訳ではないでしょうか。一度は言ってみたいものです。言う機会があればの話ですが。そもそも私が言ったら相手はドン引きでしょう(笑)。
画面から溢れる濃厚なダンディズムが堪りません。あくまでも自然体な演技で表現しているハンフリー・ボガートが渋い、渋過ぎる。まさに男が惚れる男と言いましょうか。
全ての紳士諸君が見習わなければならないであろう要素が詰め込まれているように感じました。特にスーツの着こなしが優れているらしく、是非ともお手本にしなくちゃな、と…
アメリカへ渡るためには必ず通らなければならない街、カサブランカ。まさに運命の分かれ道。分岐点の街を舞台に据えたからこそのスリルとサスペンスが、本作を単なるメロドラマに留めていない要素ではないかなと思いました。
愛する女のために追手の追撃をかわしながら、ニヒルな魅力を存分に振り撒いていたボガートと、可憐な美しさの中に芯の強さを感じさせてくれたイングリッド・バーグマンがとても煌びやかでした。これぞ映画史に残る名カップル。
※修正(2024/06/15)
君の瞳に乾杯!(Here's looking at you, kid.)
【カサブランカ:おすすめポイント】
1.アメリカ映画100年シリーズ アメリカ映画の名セリフ100(※)より6つも選ばれている!
2.イルザ・ラント役のイングリッド・バーグマンが美しすぎて、超かわいい!!
3.最初から最後まで映像が素敵!
4.最後の場面(シーン)はヤバすぎる!!!
【カサブランカ:名言名セリフ】
1.リック・ブレイン役のハンフリー・ボガートの名言名セリフ
→「君の瞳に乾杯(Here's looking at you, kid.)」※第5位
→「ルイ、これが美しい友情の始まりだな(Louis, I think this is the beginning of a beautiful friendship.)」※第20位
→「君と幸せだったパリの思い出があるさ(We'll always have Paris.)」※第43位
→「世界に星の数ほど店はあるのに彼女はおれの店に(Of all the gin joints in all the towns in all the world, she walks into mine.)」※第67位
→「そんな昔のことは覚えていない(That's so long ago. I don't remember.)」
→「そんな先のことは分からない(I never make plants that for ahead. )」
2.イルザ・ラント役イングリッド・バーグマンの名言名セリフ
→「あれを弾いて、サム。時の過ぎ行くままにを(Play it, Sam. Play 'As Time Goes By.)」※第28位
3.ルノー署長役のクロード・レインズの名言名セリフ
→「いつもの要注意連中を一斉検挙だ(Round up the usual suspects.)」※第32位
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