カサブランカのレビュー・感想・評価
全55件中、1~20件目を表示
魅力的なロマン主義に満ちた、ラブロマンスの傑作だ。
ハリウッド流のメロドラマが苦手というひともいるだろう。ストーリー自体は、ラブロマンスにありがちな展開ではある。しかしこれは、1942年公開ということを考えると、後世の作品に多大な影響を与えた、古典的傑作といえる。 俳優陣はみな好演。やはりハンフリー・ボガートの存在感と、息をのむほどの美しさを誇る、イングリッド・バーグマンが印象に残る。非常に魅力的なキャラクターが、実に印象深い。 魅力的なロマン主義に満ちたメロドラマであり、心憎いほどのスマートなウィットに満ちている。そして、心揺さぶる演出と、巧みなサスペンスが、本作の価値を大いに高めている。 もう何も言うことは無い。愛と現実の間で、犠牲を伴う誠実さに生きた人々を描いた、感動的なラブロマンスの傑作だ。
唯一無比、孤高の名作
ラブストーリーにしたい人が多いようですが、ヒリヒリするサスペンスな展開とボガート先輩の全身から発散するニヒルスティックな香が生命線で、さすがのバーグマン先輩も存在感希薄です。 世紀の名作なので今さらですが、この作品の最大の特徴は他に類似作品が思い当たらない唯一無比感でしょうね。 日本で撮るなら、浮雲の森先輩とデコちゃん先輩で決まり、もしくは雷蔵先生でもいいかもしれませんが。
男の生き様
中目黒のフレンチカフェで久しぶりにこの音楽を聴いたので、見直してみた。最近の吹き替え版ではなく字幕版で。 昔は気にならなかったが現在から見ると、セットだと分かるチャチさがある。しかし白黒で撮影当時の雰囲気が味わえる為、その点を補っていると言えるだろう。 加えてバーグマンの美しさが、補って余りあるのかも。 悲劇的な終わり方をしないので、戦争について深く考えさせることは少ないと思われるが、ここまで命を張らなくても、もう少し我慢していれば状況は良くなるのに、とも思ってしまう。ただ、このように信じた道を突き進む人間が居るからこそ、状況は動いていくのだろうとも思う。 これは戦時下における、男の生き様の映画なのだ。 信念に命をかける。 愛する女を守る。 追い詰められた時に下す判断。 男が男の生き様に惚れること。 そんな男に付いていく女も、相応の覚悟が求められる。 ボガードはハンサムではないのだが、色気がある。 彼の魅力を探るべく、他の作品も観てみたいと思った。
絡み合う駆け引き
目的の為には犠牲を厭わず、間抜けには手を貸さない。情にほだされたように見えても、道は外ない。 そんな主人公の姿に、フィリップ・マーロウの「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」という言葉を思い出した。(実際にこの小説を読んだことはないのだが) 最も印象的だったのは、ハンフリー・ボガートのオフィスに忍び込んだイングリット・バーグマンが彼と鉢合わせするシーン。会話の内容とともに変化する彼女の表情に見惚れ、すっかり字幕を追うのを忘れてしまった。 … あの決め台詞は最後のとっておきだと思っていたら、何度か使われていたのは意外だった。 … テーマ曲が、情景に合わせて様々に展開する。演技に寄り添っていて心地良い。
彼らの目は怯え、恐れ、未来を見つめている。
アフリカの北、そこに集まる者達は 弾圧から逃れ自由を求めた。 カサブランカは、古い映画では有るが 間伸びするシーンの少ない稀有な映画だ。 隠れた英雄の象徴リック。 リックの愛する女性イルザ。 イルザの夫ヴィクターの関係性は ロマンスと共に戦争を物語る。 このヴィクター・ラズロのモデルは 日本人女性として初めて海外の伯爵家に嫁いだ 青山みつ の息子リヒャルトだと言われている。 (オーストリア→フランス→アメリカ亡命) 彼はナチが台頭する頃の政治活動家で EU、今の欧州連合を構想した人物だ。 当然ナチス・ドイツから睨まれていた。 リックはアメリカ。 イルザは迷える欧州。 ヴィクターは自由への希望 … 。 名場面はたくさん有る。 時代の表も裏もたくさん有る。 登場人物の誰もが信念と情熱を持ち 敵味方に関わらず、時代を生きたその姿がいい。 また、明治期にオーストリアに渡り 孤独の中で子供達を育て上げた青山みつ という 日本人女性の隠れた姿を映画の中に見るも誇らしい。 時が経っても、変わらぬ情熱。 映画カサブランカはそういう物語だ。 ※
感動した★
凄い昔の映画だし観ようか迷ったけど、観てよかった(〃ω〃)イングリット・バーグマン凄い綺麗。何回か泣いてしまった。最初、主人公のリックがあんまりかっこよく感じなかったけど、最後には凄くいい男に見えた。ハードボイルドって古いけど素敵。名作と言われる作品は間違いないね。君の瞳に乾杯とか臭いセリフだけど、心に響く。昔の映画だけど、今観ても100%感動します。
主要3人の瑕疵のない設定がラブロマンスの名作として映画史に名を残したか…
たまたま「オリエント急行殺人事件」で イングリッド・バーグマンに会えたところ、 この作品がTV放映されたので、 今度は若かりし頃の彼女との再会をと、 もう何度目かも分からない鑑賞に臨んだ。 マイケル・カーティス監督作品として、 他には、「ホワイト・クリスマス」と 「俺たちは天使じゃない」しか観たことが ないが、作品賞他主要3部門を得たこの作品が 彼の代表作と言っていいのだろう。 そして、今回の鑑賞では、 対枢軸国プロパガンダ的意図と共に、 この映画が純粋なラブロマンス作品で あることも再認識させられた。 そのラブロマンス要素だが、 過去を引きずるボガードとバーグマン2人を 中心とする展開の中、 今回、特に気にして観たのは、 夫が、カサブランカに来て、妻の自分以外の 男性の存在に薄々気付きながらも、 妻とその相手への気持ちが 如何ほどであったのか、どう 己の気持ちに折り合いを付けていたのか、 との点だったが、 彼のそんな胸中にスポットを当てる演出は 特に無かったように思えた。 改めて感じたのは、 人間性の上でも、その行動においても 瑕疵の無い設定の主要3人の印象で、 誰も他者への十字架は背負っていない ことだった。 もし、3人の苦悩に深みを加えるようと するのであれば、 妻は夫が死んだと思って 別の男性との恋に落ちたのでは無く、 夫が強制収容所に入れられていた間の孤独感 から魔が差したように設定して、 社会的に重要な立場の男性と 燃えるような恋心を抱かせるような男性との 理性と感情の間で揺れ動く妻と、 その妻の想いに翻弄される2人の男性の心象 に加えた方が、 より深みのある作品になったように 思ったが、 一方で、それが無いことが ラブロマンスの名作として映画史に残った 理由なのかなあ、との思いだった。
君と幸せだったパリの思い出だけで俺は生きていける!
カサブランカの意味を知らなかったのですが スペイン語で白い家と言うことを初めて知りました。 Casa.blanca ハンフリー・ボガートがイングリット・バーグマン演じるイルザに惹かれる愛がありながら、彼女のために潔く身を引いた 選択が愛を貫く男っぽさに満ち溢れていました。 当時の世界情勢、歴史を知ることが出来た ストーリーでした。 ラズロとイルザが旅立つシーン 博愛、嫉妬、言葉にならない複雑な感情が ありました。 旅立つカップルを見送る2人の男性に 友情が見られました。 別れは新たなる出逢いの始まり♥ リックに新しいロマンスがあることを 願う気持ちで観終わりました。
永遠のハードボイルドヒーロー、ボギー‼️
この作品は世界一有名なメロドラマではないでしょうか。全編に流れる名曲"AS TIME GOES BY"、霧の飛行場での別れのシーン、ため息の出るほど若く美しいイングリッドバーグマンなどなど、いろいろあるのですが、やはり「マルタの鷹」と並んで永遠のハードボイルド・ヒーローであるハンフリーボガートが誕生した事ですね。"君の瞳に乾杯"とか"そんな昔の事はおぼえちゃいない、そんな先のことはわからない"とか、"これが美しい友情の始まりだな"みたいな名セリフの数々、ドン引きされそうだけど、一度は言ってみたい!!
リックの一言一言に、痺れる…!!!!!
ほろ苦く切ないラブロマンスでありながら ドイツ侵攻下のヨーロッパ諸国からアメリカへの逃亡劇という背景のため、随所で緊迫感もすごい…。 なんといってもリック(主人公)が超超超かっこいい! ハードボイルドなのに実は情にあつくて 愛した女にめっぽう弱い… 一言一言が渋い、しびれる😭 「愛するとは」というのが大きなテーマで、 なんか私は美女と野獣を思い出したよ😭 野獣がベルを解放するときの名言 「なぜかって?愛しているからだ」 と似たシチュエーションのラスト… 美女と野獣とは違ってベルはもう2度と戻ってこない… せ、せ、せ、せつねぇ😭😭😭 「愛しているから。だから行ってほしい。君は彼の一部なんだ。」 「おれを愛しているとさえ言った。それは昔のことなのに。あなたのための嘘です。」 くぅうぅぅぅぅう痺れる!!!!
理想の紳士淑女を演じるボガートとバーグマンの存在感が素晴らしいハリウッド映画の典型
名優のハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンの二大スター共演が魅力の典型的なハリウッド映画。太平洋戦争最中の1942年に制作されたことも驚きに値する。戦争とは別世界のハリウッド黄金期の代表作の一本。監督は、職人的手腕を得意とするマイケル・カーティスだが、特に技巧的に優れた演出を見せる訳ではないが、後世に遺る作品になる。それは当時フランス領であったモロッコのエキゾチックな舞台背景、ナチスか絡む政治的緊張感、その中で演じられる理想の紳士と淑女の魅惑的な存在感が素晴らしい理由であろう。ボガートもバーグマンも名演を残す傑作が他に幾らでもあるにも関わらず、この作品が記念碑的に評価されている。特にバーグマンは、前作「ジキル博士とハイド氏」の時は幼さが残る23歳の美人女優だったのが、この作品では大人の女性として映像に映し出されている。制作の意図以上の映画的な成功を収めた、偶然の奇跡が齎した名作と思う。ラストシーンの余韻も素晴らしい。 1976年 7月9日 地上波テレビ
名台詞
モノクロ作品の中でも、 有名なのが、 ハンフリー・ボガートと イングリッド・バーグマン共演の 『カサブランカ』(1942年) 2度鑑賞したと思います。 『As Time Goes By』 (時の過ぎゆくままに) 映画音楽も有名ですが 名台詞も・・・ 「君の瞳に乾杯」 劇中に4回ほど、出てくるようですが 実際は、違うみたいで 日本語字幕用なんですって 他にも、印象的な台詞があって 「昨日何してたの?」 『そんな昔の事は覚えていない』 「今夜会える?」 『そんな先のことは分からない』 キザというか、ユーモラスですね(´▽`) ボギーということで、カッコいいですね。
ボギー。思い入れがないだけに。。。
ハンフリー・ボガート。 私にとって、彼はダンディでも、男の鑑でもなんでもなく、ただのおじいちゃんにしか見えません。ファンには失礼だとも思いますが、彼を見た時にはすでにそう見える状態にあり、いくらきれいな女優さんが顔をそろえていても、親子で戯れているようにしか見えないのです。他の映画でオードリーと共演したものもありましたが、「サブリナ」これなんか、本当にじいちゃんと孫にしか見えません。 イングリッド・バーグマンはさすがにきれいで、個人的にはグレゴリー・ペックと共演した作品がお気に入りでした。 2017.12.27
時の過ぎゆくままに
「君の瞳に乾杯」という名台詞は知っていましたが、映画をきちんと見たのはおそらくこれが初めてです。この台詞、本編で4,5回くらい出てきていたかもしれませんが、全然クドくなかったです。カッコイイとはこういう事なのだと心に刻まれました。 愛する女性との突然の別れ。そして思わぬ形での再会。と、同時に自分が間男であった事を知るリック。冷静というか何事にも冷めた彼があんなに感情的になるとは。そのショックの大きさが伝わってきます。怒りや混乱、色々な感情が渦巻いていたのでしょうが、それをグッとこらえてのあの対応。痺れますね。きっと普通の人だったら、復讐に走ったり、いじけたりで通行証の事は絶対に言わないでしょうね(笑) ある意味イルザに翻弄されっぱなしの人生なのかもしれませんが、それをわかった上で彼女への愛を貫く姿に感動しました。 夜に夫の目を盗んで他の男に会いに行くイルザ。美しく可憐な雰囲気を漂わせていますが、その行動はかなり大胆。本気でリックを愛しているのか、それとも別の意図があるのか。その真意は私には謎でした。もし彼女目線の映画があったらそれも観てみたいです。 この物語に欠かせないサムのピアノ。‘時の過ぎゆくままに’。演奏する事を禁じて自分の心を封じ込めていたリック。イルザのリクエストでその旋律はカフェに流れる。再び動き出す二人の時間。蘇るパリの思い出。二人での‘これから’は無いけれど、その思い出を胸に彼女を送り出すリック。本当にカッコイイです。
ラストもいいね
超有名映画だが、初鑑賞。 ドイツがパリを占領しているだけに、フランス領カサブランカも穏やかではない状勢。 そんな中で、運命の再会をする男と女。 ラズロの政治的使命、生き様に共感し、自分の愛をグッと抑えて、通行証を渡すリック。 わかりやすいストーリーではあったが、やはり名画でした。 先の対戦時、日本の敵国で、こんな素晴らしい映画が撮影されていたことに感慨深い思いがする。
Here’s looking at you,kid
1944年のアカデミー賞作品賞受賞。第二次世界大戦中で、いかにも当時のアメリカ人が好みそうな作品である。結局、男のロマン、男の美学を貫き通した主人公には、男の私でさえ惚れてしまうほどだ。名セリフのオンパレードで何度見ても飽きない映画である。イングリッド・バーグマンのアップの時に、わざわざソフトフォーカスにしているが、彼女の美貌であればその必要はないと思うのだが、余計なお世話か? <印象に残ったセリフ> (ラストの飛行場での別れのシーン) リック:「俺たちにはいつでも思い出のパリがある。」 We'll always have Paris. ※別訳では、「君と幸せだったパリの思い出で俺は生きていける。」 ただ、主語が「We」なので、前述のほうが正確かも。 (もう一つは、超有名なこのセリフで名訳、映画の中では、4〜5回言っている) 「君の瞳に乾杯」 Here’s looking at you,kid. (直訳だと、君を見ていることに乾杯かな?)
全55件中、1~20件目を表示