オリーブの林をぬけてのレビュー・感想・評価
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美しい緑の坂道はずっと観ていられる。
風が吹く中、映画に出る若い女の人を探す。
映画を撮影する様子を映画で観る。
若い男の人が何とも言えず良い。
「友だちのうちはどこ?」の男の子が少し成長した姿にちょっと嬉しい。
「そして人生はつづく」のあの場面を何度も撮影し、その時階段の上での様子も映す。
若い男の人は若い女の人が好きで、想いを伝える話もしてくれない。
本気で好きだと不器用に伝えるが振り向いてくれない。
観ている方が切なくなってしまう。
撮影が終わり歩いて帰る若い女の人を追いかけて、若い男の人は話続ける。
オリーブの林を坂の上から映し、追いかける姿を小さくなるまで映し、遠くで何か話をして若い男の人が戻って来るところで映画が終わる。
ずっと遠くから映すラスト、オリーブの林が美しく、声も聞こえないからこそ、色々と想像してしまう。
忘れられない。
映画のラストだけでは無く、何気ない場面も美しい。
アッバス・キアロスタミ監督の凄さと魅力を感じ、嬉しくなってしまいました。
ジグザグ道3部作の3作目
イランの名匠アッバス・キアロスタミの「ジグザグ道3部作」の完結編。...
イランの名匠アッバス・キアロスタミの「ジグザグ道3部作」の完結編。
内容は前作『そして人生はつづく』の撮影中の実話をもとに、キアロスタミ監督が想像力を膨らませて作ったラブ・ストーリーと言う設定。
舞台は映画の撮影現場で、この作品のスタッフたちが登場、虚構と現実の狭間でストーリーは展開していく。
撮影助手をしていた男性ホセインは、新婚夫婦の夫役に急遽抜擢される。そう『そして人生はつづく』の中盤の新郎だ。
そして妻を演じるのは偶然にも以前プロポーズした少女タヘレ。そう『そして人生はつづく』の中盤の新婦だ。
字が書けず家を持たないホセインはタヘレの親族から断られていたが、彼女自身の気持ちが知りたいホセインはひたむきに話しかける。撮影が終われば会えない。最後の日、彼は返事をもらうため、オリーブの林をぬけ、ひた走る……。
と言う映画撮影の映画で有り、恋愛物であり、前作『そして人生はつづく』のスピン・オフで有り、イラン北部の震災のリアルを描く。
前作『そして人生はつづく』の映画監督役ファルハッドさんも出演する。
3本続けて観ると面白く、『友だちのうちはどこ?』の7年後のババク・アハマッド・プール君とアハマッド・アハマッド・プール君が植木鉢を貸して撮影の見学をする本人役で出る。他にも先生役の人がチョークを用意するチョイ役で出る。
台詞が多くて、説明がが多く感じた。 日本の小津監督に影響を受けたっ...
これは「愛」ではない
<生きる力>を感じる清々しい映画
題名に凄くひかれた。
観てみたら、洗練されていて、人間味たっぷりの素敵な映画だった。
正直、最初、ホセインは、わたしからみると、どんくさく、あまり結婚したくないタイプの男に思えた。
でも、観すすめるうちに、「彼はなかなかいいじゃん?」となってきて、「そういえばイケメンだし、考えかたもしっかりしてるし」となっていき、おしまいには、「こんな人とだったら結婚したら幸せになれるかもね!」という気もちになってしまったから面白い。
学がなく家もない彼だけれど、震災の傷痕残る環境で、人生や社会の未来について、古いやり方にとらわれず、自分なりにちゃんと考えている。それを実行にうつす行動力と粘りもある。
素朴だけれど逞しい。
女の子の方も寡黙ながら自分の力で未来を切り開こうとしている。
「生きる力」ってこういうことを言うのかな?と頷かされる。
映画制作の場面は、繰り返されてもなぜか飽きずに見れる面白さ。
そして、最後のオリーブ林の場面は、その光景が清々しく美しく、ストーリーの結末としても洒落ていて印象に残る。
【“僕は君を幸せにしたいんだ!”純朴な青年が、一目惚れした女性への熱意溢れる求愛する姿を、イランの牧草地を背景に、優しい目線で描いた作品。】
ー アッバス・キアロスタミ監督作品に嵌って、4作目。
今作はコケルというイラン北部の山岳地帯を舞台にした
1 「友だちのうちはどこ?」・・間違ってノートを持ってきちゃった友だちにノートを返すために
駆け回る少年の姿が沁みた作品。
2 上記作品を制作した土地が大地震に見舞われ、心配したアッバス・キアロスタミ監督が彼の地を訪ねるドキュメンタリータッチの「そして人生は続く」
そして、今作は「そして人生は続く」で途中出てきた、震災後の翌日に結婚した役柄を演じた青年を主役にした”純朴な青年の熱意溢れる求愛”物語である。ー
■感想<Caution 内容に触れています。>
・ホセイン君は映画の雑用係だったが、急遽、役を任される。
震災後の翌日に結婚した新妻に対し、あれこれと言う役なのであるが、ホセイン君は役はそっちのけで一目ぼれした、新妻役の字が読めるタヘレさんに
”僕が結婚するのは幸せになるためだ。そして、君を幸せにしたいんだ!”
と、猛アタック。
けれども、両親を亡くしているタヘレさんの態度はツレナイ・・。
お婆さんにイロイロと吹き込まれている事もあるのかもしれない。
”字が読めない”
”レンガ職人見習い・・”
”家なしに嫁なし!”
ー 凄いなあ・・。持ち家が無いと駄目なのね・・。ー
・けれど、ホセイン君はアキラメナイ。
撮影の合間の雑用をしながらも、お茶を持って行ってあげたり、彼女の気を引こうと頑張る。
”僕が、お茶を淹れたり、君がお茶を淹れたり・・。これが結婚だよね。”
ー ホセイン君の顔が、誠実な人柄を表しているように思える。だから、彼のタヘレさんへの猛アタックを観ていても、”頑張れ!”と言う気持ちになるのである。ー
<ラスト、撮影後歩いて帰るタヘレさんの後を、走って追っていくホセイン君。タヘレさんは逃げるでもなく、彼の前を歩いて行く。
その姿を、カメラはロングショットで撮っている。
漸く追いついたホセイン君は、タへレさんに話しかけ、急にこちらに向かって駆け戻って来る。
道ではなく、草原を斜めに・・。
きっと、
”タヘレさんに、良い返事を貰ったんだよね!君の熱い想いが伝わったんだよね!”
と思いながら、彼の姿を見ていましたよ。>
■アッバス・キアロスタミ監督は「桜桃の味」を観て一気に好きになり、一気呵成に4作を鑑賞した。
どの作品も淡々としたトーンながら、人間の善性を肯定する監督の視点が好きである。
世界には、素敵な作品を作ってきた監督が、まだまだ沢山入らっしゃるのであろう。
素晴らしい監督とその作品群に出会えた事は、僥倖であった。
道はジグザグ心はまっすぐ
ジグザグ道3部作、そんなの知らなかった…
『友だちのうちはどこ?』でどハマりした
キアロスタミの作品、Amazon primeにリストアップされているうちに全部見ようと思って
"オリーブ"のwordに惹かれてチョイスしたら
まさしくあのアハマッドとネマツェデの二人が、少し大きくなった二人が登場♡アガる
大きな地震があったようだ…
(この後『そして人生はつづく』を見て順番間違ったな、と気付くが 遅し)
地元の人々を起用して映画を作るキアロスタミの作品はどれもドキュメント風
この作品も映画のオーディション風景から始まる
地元の人々も、出たがりなのに演じない
演じないけど、若く綺麗に撮って欲しい
恥ずかしがり屋なのに、興味はある
楽しみが少ないからかな?
だとすると恋愛事情はどうなんだろう
この映画はしつこい勘違い男の恋物語か?(笑)
何度も何度もテイクを重ねる意図は?
粘り強く!という教えなのか…
長いエンディングはひたすらオリーブの林をタヘレを追って下っていく
そこになんとモーツアルトのオーボエコンチェルトinCである♡
まったく風景と合わない驚きのチョイス(笑)やられた、、、
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