「<生きる力>を感じる清々しい映画」オリーブの林をぬけて 雨音さんの映画レビュー(感想・評価)
<生きる力>を感じる清々しい映画
題名に凄くひかれた。
観てみたら、洗練されていて、人間味たっぷりの素敵な映画だった。
正直、最初、ホセインは、わたしからみると、どんくさく、あまり結婚したくないタイプの男に思えた。
でも、観すすめるうちに、「彼はなかなかいいじゃん?」となってきて、「そういえばイケメンだし、考えかたもしっかりしてるし」となっていき、おしまいには、「こんな人とだったら結婚したら幸せになれるかもね!」という気もちになってしまったから面白い。
学がなく家もない彼だけれど、震災の傷痕残る環境で、人生や社会の未来について、古いやり方にとらわれず、自分なりにちゃんと考えている。それを実行にうつす行動力と粘りもある。
素朴だけれど逞しい。
女の子の方も寡黙ながら自分の力で未来を切り開こうとしている。
「生きる力」ってこういうことを言うのかな?と頷かされる。
映画制作の場面は、繰り返されてもなぜか飽きずに見れる面白さ。
そして、最後のオリーブ林の場面は、その光景が清々しく美しく、ストーリーの結末としても洒落ていて印象に残る。
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