「二コラ・フィリベール特集 - その1 30年近く前のフランスのろ...」音のない世界で La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
二コラ・フィリベール特集 - その1 30年近く前のフランスのろ...
二コラ・フィリベール特集 - その1
30年近く前のフランスのろう学校に通う子供達や先生の日常を捉えたドキュメンタリーです。
いやぁ、知らなかった事が多くてとても勉強になりました。まず、手話を貶めてろう者への口話教育に拘り続けたのは日本だけだったと思っていたのですが、フランスもそれほど遠くない頃まで「ろう者への口話教育」にしがみついていたんですね。この作品では「現在では口話と手話のバイリンガル」に取り組んでいると先生が話していましたが、恐らく現在ならばそれも更に変化しているのではないかと思います。
また、一口に手話と言っても国ごとに異なっているのは知っていましたが、「国が異なっても、二日も一緒に居れば意思の疎通が出来るようになる」と先生が語っていました。へぇ~、それってすごいですよね。エスペラント以上の世界共通語です。各国で共通の単語もあるのでしょうが、文法も異なる筈なのにそれをどうして乗り越えるのでしょう。もっと詳しく知りたいなぁ。
また、昔はろう者を家庭内・狭い地域内の中だけで育てていたので、当時のろうの子供は「ろう学校に行っても、ろうの子供ばかりで耳の不自由な大人が居ないので、『ろう者は長生き出来ず、大人になる前に死んでしまう』と思っていた」と語る言葉は重いですね。様々な障害を持つ人々が少しずつではあっても社会に出られる様になった現在は確かに良い方向に進んでいるのでしょう。
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