「自叙伝的映画」大人は判ってくれない mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
自叙伝的映画
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やっと見た。ヌーベルヴァーグで有名なトリュフォーの映画。
1959年に作ったトリュフォーの長編デビュー作らしいです。
といっても、ヌーベルヴァーグが何なのかもよくわかっていない自分ですが。
モノクロ映画ですが、パリの街並みが情緒あって美しいです。
映画の内容はといえば、少年アントワーヌの心象風景とともに物語が進むのですが、トリュフォー自身のことを描いた作品でもあるそうです。
主人公アントワーヌ君、環境に恵まれず、悪いことづくめで不良化していくのですが、見た感じ全然、いい子でした。寝る前には母の言いつけどおり、ゴミを捨てに行くし、ボロボロにやぶれたパジャマも文句なく着ているし。感化院に送られるバスの中で流す涙で、少年が深く傷付いていることに気づきます。
少年の母親は超自己中心的な女性として描かれています。父親(どうも少年とは義理のつながり)が、「いとこに子供ができてね」というと、母親が「4人目でしょ。ぞっとするわ」という台詞が極め付けで、子供なんか邪魔な存在でしかないといった感じでした。
ラスト、少年が施設を抜け出して、海辺を駆け抜けるシーン。表情のアップで終わっていますが、その陰に苦悶が隠れているように感じました。でも、世界に向かって挑んでいるようでもありました。
決して明るい映画ではありませんが、見てよかったです。
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