「トリュフォーは主人公と同じ環境でどう立ち直ったのか…」大人は判ってくれない KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
トリュフォーは主人公と同じ環境でどう立ち直ったのか…
この映画は監督の自伝的要素が
込められているとのことだが、
作品の中の両親の、家族のことよりは
自分のことを優先する生活にまず閉口した。
その後、子供の学校での
トラブルを切っ掛けに一度は
家族らしさを持ち得たものの、
後段での、両親共に
子供を少年鑑別所に入れることを積極的に
進める性根には更に驚かされた。
そんな大人への子供の反抗心を
みずみずしく描いた作品ではあるものの、
しかし、犯罪レベルの
とても正しいとは言えない行動に
なかなか共感を得ることは出来なかった。
私が育ったのは、この映画と
時代的にはそれほど変わらないものの、
まだ保守的な日本社会での田舎の環境。
だから、私の子供の頃なんて大人が怖くて
反抗なんて出来なかったが、
幸いにも、今振り返ってみると、
叱られたことでもそれなりに正しいことを
教えられていたように思う。
だから、なかなか実感出来ない世界を
覗かさせていただいた印象の作品だった。
それにしても、トリュフォーも
彼から影響を受けたというスピルバーグも
家庭環境は決して好ましいものでは
なかったとのこと。
そんな中で彼らは世界的な映画作家に。
家庭問題で苦しんでいる若人にとっては、
そんな観点からも勇気を得られる
偉大な2監督と言えるのではないだろうか。
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