「タイトルなし」男が女を愛する時 きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
健やかなるときも、病めるときも、
喜びのときも、悲しみのときも、
富めるときも、貧しいときも、
これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命のある限り、かたく節操を守ることを誓いますか
・ ・
あの「ボディガード」が
ホイットニー・ヒューストンの十八番ならば、
この映画は
オープニングに流れるパーシー・スレッジの言わずと知れたこの代表曲でしょう。
僕はこのナンバーの初体験はレッド・ミドラーでした。圧倒されました。その歌心と歌詞の真っ直ぐさに痺れたんです。
本作、
特に前半、俳優たちの演技や、設定・展開の不自然さを指摘するレビューもあるけれど、
その歌詞の内容を見れば思い出すのです。
Fallin Loveの瞬間って、ビビビッと来て、これくらい不自然なものでもあったのだ。皆さんも思い当たるのではないかな?
「結婚は、勢い」でもあるのです。
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【テーマは2つ】
◆工夫を尽くして愛し抜くということ。
◆「アルコール依存症」は、そのきっかけは人間関係や心情的なものであったとしても治療の必要な精神疾患なのだと知る必要について、
そのレクチャー。
冒頭、あのカフェバーでの有名なシーンですが、
ナンパ上手なイケメンパイロット=アンディ・ガルシアが、意外や意外、その後の妻の転落からも何とか頑張って、逃げずに最後まで、「一緒に闘った」というドラマでした。
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漫画家の西原理恵子が、夫の重症なアルコール依存症と闘い、その禁断症状の泥沼の有り様を一切隠さずに子供らと一緒に目撃するようにしたのだ ―という壮絶な記録は、コミック「毎日かあさん」になっていました。
これは後に映画化されて小泉今日子&永瀬正敏。
もう一作「酔いがさめたら、うちに帰ろう」にもなっています(永作博美&浅野忠信)。
「カウセリング」や、「家族の会」など。
「あれ」に徐々に場馴れしていく人間アリス(メグ・ライアン)と、まだそうではない未経験者の間には必ず“温度差”が出来るのだし、マイケル(アンディ・ガルシア)のように全て自分だけ置いてけぼりの心情になるのも致し方ない。
・本心を尋ねられること。
・本心や弱さを初めて口に出してみること。
・カウンセラーや仲間、そして家族に対して自分の心の深奥をシェア出来るようになる事。
― これはその機会や、踏み出すチャンス、そして切羽詰って崖から飛び降りる(or突き落とされる)ような勇気が無ければ、到底習得出来ない事なのです。
特に男はそのプライドが邪魔してしまって、一線を越えるのが難しいのだよね。
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子役のお姉ちゃんジェス=ティナ・マジョリーノの痛々しい演技力にはやられます。ウーピー・ゴールドバーグと組んだ「コリーナ,コリーナ」でも彼女は心に傷を負った少女の役で出ていました。
あと、
彼らの家のドアに「アムネスティー・インターナショナル」のステッカー発見。
で、
僕は結局別れてしまったのでね、
「結婚式での誓いの言葉」の
あの祝いの場にはおおよそ場違いな、冷水のような、浮ついた気持に焼きごてを当てられるような、そして
二の足を踏んでしまうことマストの、あの
牧師さんの超ド級の「質問」には たじろいでしまう。
だから、
自分の決断は正しかったのか?と、スクリーンを観ながら
この映画にはずっと問われることになります。
アイ・アム・サムにコメントありがとうございました。
この作品、確か試写会で見ました。
メグ・ライアンどうしちゃったのーと思ったのを覚えております。シャワー中に倒れるシーンとかありましたっけ。寂しくて壊れていく姿と支える夫、結構シビアでしたね。
パーシー・スレッジのこの曲、「プラトーン」のサントラに入ってて、それをよく聞いていました🙂