オデッサ・ファイルのレビュー・感想・評価
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昨今の考証が適当なドラマよりはるかに面白い
原作も面白かったし、この映画も面白い。
作品紹介にストーリーが全部書かれてしまっているのは良いの?
あと父親は収容所で虐殺されたのではなく、港で負傷兵を船で運ぼうとしているところを接収されそうになり、抵抗して撃たれた。修正した方が良いのでは。
今見ても…
古さをあまり感じず、ジョン・ボイトがナチスの残党組織オデッサに潜入していく様が格好良く、緊張感もある。偶然読んだユダヤ人の手記から収容所長のロシュマンを追うことに没頭するボイト。ホームで突き落とされたり、恋人も襲われたり、命懸けで、敵は警察ほかあらゆる組織に身を潜めている。何万人も殺しておきながら、戦後は名前を変え、悠々自適に暮らしている。ロシュマンのユダヤ人への迫害は酷いが、命懸けで追いかけるかなと思っていたが、実は自分の父であるドイツ軍大尉を殺されたことへの復讐であった。記者なのに殺し屋より強かったり、殺し屋も一人しか追ってこなかったり、ロシュマン邸へ明るいうちから忍び込んだり、リアリティには欠けるが見応えはあった。
SSに潜入
目を覆いたくなるようなロシュマンの残虐な行為、白黒映像で中々良かったです。ネオナチの集会に参加してからというもの、命を狙われるピーター。地下鉄で突き落とされたときは、マジで怖かったっす。
一人で調査するピーター。無防備すぎます。SSに潜入するという大胆さも、やりすぎだと思うのだが・・・ま、そうじゃなきゃ面白くないんですけどね。
何故執拗にロシュマンを殺ることを考え、追い続けるのか・・・途中で想像ついてしまいますが、まぁまぁ面白かったです。
本作で取り組むべきテーマを、復讐譚で矮小化されては残念としか言い様がない
傑作「ジャッカルの日」の原作者フレデリック・フォーサイスの第二作
彼の原作による映画は四作あります
ジャッカルの日 1973年
オデッサ・ファイル 1975年(本作)
戦争の犬たち 1981年
第四の核 1987年(日本未公開)
フォーサイスはイギリスの作家
元ロイターやBBCの記者だけあって圧倒的な取材力でその原作は莫大な情報量を誇ります
もちろんフィクションを絡めて小説にしているのですが、そのフィクションの含有量がかなり少ない
というかそのフィクションもそうなる可能性がかなり高い確率であったというものです
第1作のジャッカルの日はその物語が、映画的な題材であったので、映画も傑作中の傑作になりました
しかし本作はどうかというとそこまでは、とてもいかない
以降の映画もしかり
むしろ映画との相性が悪く感じます
その情報量の極めて多い原作の端折り方、テーマの見極め、物語性の付与
かなり脚本の難易度が高いのだと思います
本作もそうで、原作の良さが消化不良を起こしてしまって残念です
それでとも中盤の変装してのオデッサ潜入からはがぜん面白くなります
しかし結末がただの復讐譚にまとめられてはつまらなく、しけたものになってしまいました
冒頭にでるタイトル文字が秀逸
Odessa File のssの部分がゲシュタポのあの有名なSSのロゴを模してあるのです
もしかしたら、実在のオデッサの命名もSSの文字があるから採られた名前なのかも知れません
舞台は、ケネディ暗殺のあった1963年11月22日の夜、ハンブルクから始まります
地下鉄Merken Street駅でのホームからの転落シーンは有名です
その後、ミュンヘン、ウイーン、バロイト、ハイデルベルクと変わります
終盤はお堀のある古城が舞台となります
といっても他に観光名所が出るわけでも綺麗な景色が広がる訳でも有りません
冒頭の夜のハンブルクの大通りのクリスマスの飾り付けの光景の方が記憶に残るくらいです
戦友会は在って当然です
親睦会です
戦地で生死を共に銃弾をかいくぐって生き残った間柄なのですから、戦後何年経っても懐かしく親睦を毎年温めたくなると思います
それは洋の東西を問わず日本でも同じです
戦勝国の米英露でも同じでしょう
戦友が困っているなら、できることならお互いに便宜を図るのも当然のことです
だが、それがゲシュタポの戦友会だとしたら?
しかもホロコーストを実行した部隊のものなら?
戦犯は戦後逮捕され、然るべく処罰され死刑に処されたはず
しかしドイツでは本作のように組織的に終戦間際から水面下に名前と身分を変えて潜んでいたわけです
しかもそのネットワークを持って戦前のファシズムを復活させようとしているならば?
現在進行形でイスラエルに対してまたもホロコーストをやろうと目論んでいたならば?
それが本作で取り組むべきテーマだったのです
復讐譚で矮小化されては残念としか言い様がない
そんなものは一要素に過ぎないはずです
日本ではどうか?
そのように水面下に逃れられた人物は皆無とは言えないかも知れません
殆どの戦犯は戦勝国によって逮捕され処罰をうけました
逃れた人物は稀でしょう
何故か逮捕されなかった人物もあったかも知れませんが極少数だと思います
そこがドイツと違うように思います
しかし私怨でお前は戦犯だと言いがかりをつけ、戦後何十年経っても特定個人を執拗に個人的に付け狙い暴力を振るう人物もいたようです
「ゆきゆきて、神軍」はそのような人物の映画でした
本作と見比べて、その酷さ、醜悪さ、程度の低さを確認しても良いかも知れません
そして個人ではなく日本民族全体に、当時生まれてもいない新しい世代にまで責任と謝罪を永遠に問うような隣国があります
ホロコーストの責任を個人にのみ問うユダヤ人の姿勢と比べると、アジア的な陋習を強く感じます
主人公ピーターの父親が佩用していた柏葉・剣付騎士鉄十字章は、ドイツ軍全体で159名のみ
大半は元帥や将官です
大尉でこれを授章した人物とは、天下に名前を轟かせる程の戦功を幾度も挙げている者ということになります
これがどれほど凄いかと言うと、「ヨーロッパで最も危険な男」として有名なオットー・スコルツェニーが、ムッソリーニ救出の功績で与えられたのが、親衛隊中佐に昇進と騎士十字章でした
それは3ランク下の勲章です
つまりピーターの父は、このスコルツェニーの戦功にも勝るほどの英雄であったという設定なのです
このスコルツェニーは戦後、本作で描かれたオデッサにもかかわり、さらににはイスラエルのモサドとも接触して、エジプトのイスラエルへのロケット攻撃計画に関与するドイツ人科学者のリストを提供して、この計画を未然に潰したともいわれています
つまり本作でのピーターの行動と父親はこのスコルツェニーの人生を元ネタにしていると思われます
ちなみに、「鷲は舞いおりた」のシュタイナー大佐がラストシーンで佩用していた勲章は、柏葉付騎士鉄十字章です
剣付きではなくワンランク下になります
シュタイナーは降下猟兵部隊の指揮官ですが、スコルツェニーがムッソリーニ救出作戦に使ったのも降下猟兵部隊でした
ナチ残党の地下組織
「ジャッカルの日」と並ぶフレディリック・フォーサイスの代表作「オデッサ・ファイル」の映画化である。わくわくしながら読みふけった記憶はあるのだが小説も映画も内容はほとんど忘れてしまった、BSでやっていたので久しぶりに再鑑賞してみました。
フリーのジャーナリスト、ペーター・ミラーがふとしたきっかけで元ナチス親衛隊のエデュアルド・ロシュマンの消息を追うサスペンスドラマなのだが実在のナチハンター、サイモン・ヴィーゼンタールも登場し史実とフィクションをうまく織り込んでいる。
オデッサとは元ナチス親衛隊員の逃亡を助ける地下組織なのだが同様な組織は他にもシュピネ、シュティレ・ヒルフェ、ルーデル・クラブ、ブルーダーシャフト、HIAGなど数あり、親ナチ政権の南米、スペイン、反共のバチカン、アメリカ本国などへ数万人が逃亡したとされているから驚きだ。副総統のマルチン・ボルマンは敗色を察し再建のための金塊や軍資金を新型輸送用潜水艦を使ってヨーロッパ、南米などに分散、隠匿した、中には産業用機械や高度な工業製品の設計図も含まれていたと言う。この莫大な資金を背景に戦後実業家として活躍したものも多かったと言う、サイコパス特有の商才だったのだろうか。
ロシュマンは実際にはアルゼンチンに逃亡したが本作公開後の1977年にパラグァイで死体が発見されている、一説には仲間内の口封じとも言われている。
ペーターの動機は残虐非道なナチスへの憤怒としても身を挺しての潜入捜査など度を越していると感じていたが終盤に来て腑に落ちた。ナチス残党は仮想の敵役よりリアリティがあるので2時間10分の長尺だが見入ってしまった。
命懸けの追跡・・・冒頭から引き込まれました
主演のピーター( ジョン・ヴォイト )の人物像や時代背景が、冒頭から丁寧に描かれており、直ぐに引き込まれました。
ナチスの強制収容所所長ロシュマンが、実在した人物という怖さも有り、ピーターが独り追跡を始める中盤からは、スパイ映画を超越したレベルの緊迫感で、見応えが有りました。
ピーターが命懸けで行動した納得の理由が、ラストで判明。力作でした。
NHK - BSを録画にて鑑賞
良く練られたストーリーだと思います。
戦後のナチ支援組織「オデッサ」の存在を知ったルポライターが、ユダヤ人組織の力を借りて組織に潜入する・・・と言うストーリー。
フレデリック・フォーサイス原作のスパイアクション。正直あまり知らなかった作品でしたが、「ジャッカルの日」の原作者と知り、鑑賞。
古い映画ということもあり映像的な迫力には欠けますが、ストーリー的には流石でした。主人公がこの件に異様に執着している様に違和感を持ったストーリーではありましたが、ラストでその違和感も見事に解消。ベストセラー作家原作だけのことはありますね。
あるユダヤ人の死から、一人のナチ残党の悪行を知り男を追跡しようとす...
あるユダヤ人の死から、一人のナチ残党の悪行を知り男を追跡しようとする。
危険にさらされながら真実を追う姿に、ジャーナリスト魂だけでは説明のつかないものを感じていたら、なるほどという結論が待っていた。
緊張感あふれる描写が良い。
SSたちが戦後数年たってもまだ自分たちがドイツの発展に寄与したと言い放つところは胸糞が悪くなる。しかも組織絡みで戦犯者を匿い守ろうとするシステムの存在にはぞっとした。
この頃のジョン・ヴォイトは向こう見ずで命知らずな正義感みたいなものをまとった役がよく似合う。
緊張感と変装に釘付け
緊張感があるシーンが多く、ドキドキさせられました。
ストーリーにはナチスドイツに関する陰惨な史実も含まれていて、悲しみや怒りを覚えると共に考えさせられました。
展開としては上手く進みすぎにも感じました。ですがラストでなるほど…と思わせられる場面もあり、楽しめました。
ヴェンツァーのその後が気になります。
ジョンヴォイトの変装時の所作や表情の変化が素晴らしかったです。本当に別人に見えました。
ジャーナリストが親衛隊の残党組織「オデッサ」に挑むサスペンス映画 ...
ジャーナリストが親衛隊の残党組織「オデッサ」に挑むサスペンス映画
古い映画のせいか突っ込みの入れどころも少しありましたが見ていて結構ハラハラする展開が多く面白かった。
ラストの巨悪との対峙、やり取りは考えさせられるものもあったけれどそれを覆すほど、明かされる主人公の過去に伏線の回収は驚かされた!
原作:フレデリック・フォーサイスがナチス組織の詳細な情報から執筆し...
原作:フレデリック・フォーサイスがナチス組織の詳細な情報から執筆した小説の映画化。
生き続けるナチス組織に命がけで挑む。
鑑賞日:2015.3.15
戦後も暗躍するナチ残党に勇敢にも立ち向かう記者、当然命を狙われるこ...
戦後も暗躍するナチ残党に勇敢にも立ち向かう記者、当然命を狙われることに。
展開がスリリングでドキドキハラハラ、途中からもはや誰が味方で誰が敵なのか何も信用できなくなります。
ラストには衝撃の真実もあり、なかなかに楽しめる面白いサスペンスでした。
これ、かなりの部分が真実というところが恐ろしい。原作者には多くの脅迫状が届いたそう。
恋人シギーがセクシーで良かった。がっかりなのは風貌の割にはまぬけな殺し屋でした(笑)
活劇部分は駄目
総合75点 ( ストーリー:75点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:65点|音楽:60点 )
突然現れたイスラエルの諜報員達はどうやって主人公の活動を知ったのだろうか。描かれることなくいきなり彼らが登場するが、背景の説明がない。殺し屋は弱くて驚いた。城にいとも簡単に侵入出来るし電話が盗聴されていなかったりするのは、この時代の技術がまだまだ未熟だったのだろう。ファイルはどう使われてどのような結果をもたらしたのだろうか。そのような物足りないところもある。活劇の演出は不合格。
でも総合的には楽しめました。旧ナチスの組織の話は色々と聞くので、社会に蠢くその活動に怖さと緊張感があった。組織に潜入するための準備と潜入するときの相手の警戒水準の高さとしつこい質問は見応えがあった。
原作を読んでみたが、イスラエルの動きのことは詳しく書かれていてよくわかった。殺し屋のことは原作とはかなり異なっていて、活劇が駄目なのは映画の制作側の問題だった。主人公が乗り物語に重要な役割をするジャガーXK150Sが、映画ではメルセデスでただの移動の道具扱いになりたいした活躍をしなくなるのは残念。
odeSSa
掘り返したくない醜い過去。
痛い所をあえてほじくり膿を出す。
日本は出来たのだろうか。
連合国は出来たのだろうか。
記者が命をかけて行う潜入捜査。素人がここまで頑張れるのか?と思いましたが、原作ではもう少し助けを得られるようです。
命令に忠実であることが善だったのだ、我らに非はないと、時代に合わせて要領良く生き延びる元親衛隊員達。戦時中、政策に疑問を抱けば反逆罪になりかねない。それまでの価値観が崩れ、何が正しいのか困惑する。逆に言えば、悪い奴が堂々と悪いことを出来た時代。
歴史は習うしかないから、どの国で過去を学ぶかで、随分印象が変わってしまいます。善悪を結果論で決めつけるのではなく、どんな時代が来ようと人間性を失ってはならないという教育が大切だと思いました。
どうしてみんな英語なの…?というのはおいといて。
主演はアンジーのパパ。やはり鼻から下がよく似てるかな。
ドイツ人とは誰か?
フレデリック・フォーサイスの原作になる映画作品は「ジャッカルの日」に次いで2作目の鑑賞。「ジャッカル」がいま一つだった記憶が残っていたので、この「オデッサ・ファイル」もあまり期待を持たなかった。
映画にはあの時代のミュンヘン中央駅などがロケ撮影によって映し出されており、メルクリン社の模型を手にして憧れていた当時の車両の映像が楽しめた。
スリルとサスペンスに溢れ、なかなかな知的娯楽作品だった。
この映画を観終わってつくづく考えた。
第二次世界大戦後の産業・科学技術が、ナチの残党とユダヤ人なしではあれほど急速には発達しなかったこと。そして、その礎はドイツという土地にあり、その成果利用と投資や研究の主導権を巡っては、ユダヤというコスモポリタニズムと、ドイツ民族主義が絶えず緊張関係にある。
ドイツ人とは一体誰のことを指すのか。ドイツ民族とは何か。ドイツ語とは誰の言語なのか。ドイツ語を話していたオーストリア帝国の支配層やモーツァルトはドイツ人ではないのか。なぜ周辺国の言語に「ドイツ」指す言葉がないのか?ドイツ人を指すのは、英語ではゲルマン民族を意味する言葉だし、フランス語ではアレマンノ族を意味する言葉である。
そのような疑問点が次々と浮かび、この不安定さこそが、ナチズムを生み、そしてその暴走を許したものではないのかという、映画の本筋とは全く関係のないが頭の中を占めた。
すごいスリル
久々に手に汗を最初から最後まで握るようなサスペンスをみました…
なんかみたことある俳優だなーと思ったら真夜中のカーボーイの人。
2作くらいしか彼の出ている映画を見たことありませんが
こういうアウトローな役が本当に似合う!
軟派な役が当たり役かと思ったら、この映画の後半のような紳士まで演じれて、すごい
ところどころなぜ?と思う箇所はいくつかありましたが
例えば平気で人を殺すほど残忍な組織オデッサなら、
あの息子の持つノートなんて簡単に手に入るんじゃ?とか…
なぜあんなに簡単にボスの城に侵入できのか…とか
映画の緊張感にそういう疑問はどうでもよくなり、ただどうなるの!?で最後まで飽きずに見れる作品
そして、どこにでも潜む組織のせいで出てくる登場人物全員が怪しく見えてくる。
恋人のことも最後まで疑ってました…
最後が意外な結末で、そしてそこから怒涛のラスト
ちょっと詰め込みすぎかと思ったけどおもしろかった
戦争で、敵対国が民族単位で憎いのではなく、邪悪な個人が悪いと最後老人が祈っていたけど、
それがこの映画のテーマかな?と感じたのですが
その個人も戦争という時代のために動いているので、誰が悪いのか正直わからない
例えば日本に原爆を落としたパイロットを憎んでいいのか?というような感じで
おもしろいけど、いろいろ考えさせられる映画だった
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