オーケストラの少女のレビュー・感想・評価
全5件を表示
【”乾杯の歌”今作は、失業中の演奏家の父と、100人の演奏家たちに幸福を齎した少女の歌声の魅力と、彼らの演奏を聴いた世界的指揮者の決断を描いた幸福なる作品である。】
■パトリシア(ディアナ・ダービン)の父は失業中のトロンボーン奏者である。優しい父を再び一流のオーケストラで演奏させたいと願うパトリシアは、財布を拾って届けて上げた気まぐれな金持ちフロスト夫人の言葉を信じ、失業中の楽士ばかりを集めて100人オーケストラを結成する。
さらに、一流の指揮者・ストコフスキー(as himself)に指揮を依頼するが、彼は演奏の予定が詰まっており、パトリシアの歌声に心を動かされるが、父たちのオーケストラの指揮を断るが・・。
◆感想
・前半は、フロスト夫妻をはじめとした金持ち連中の、職無き演奏家たちの窮状を知ってか知らずかの、いい加減な対応に振り回されるパトリシアや、彼女の父や演奏家たちの姿を見て、チョイ苦い気持ちになる。
・だが、パトリシアの奮闘を知り、力になるタクシー運転手の粋な行動や、パトリシアのど根性で、ストコフスキーに指揮を依頼しようとする姿が、徐々に沁みて来る。
■圧巻なのは、パトリシアを演じたディアナ・ダービンのハイハイファルセットボイスであり、彼女の歌声に心を動かされたストコフスキーに向けて階段で演奏する100人オーケストラのシーンである。
ストコフスキーは、その見事な演奏を聴いているうちに、自然と腕がタクトを振るように動き、決まっていた公演を延期し、100人オーケストラの指揮を引き受けるのである。
そして、正装した100人オーケストラの面々は誇らしげに、満員の聴衆の前でストコフスキーの指揮の元、演奏を披露するのである。
<今作は、失業中の演奏家の父と、100人の演奏家たちに幸福を齎した少女の歌声と、彼らの演奏を聴いた世界的指揮者の決断を描いた幸福なる作品である。>
お茶の間向きの楽しい映画
名作
フロスト夫人のスポンサー申し出は単なる酔狂だったのか?夫ジョン・フロストは出資を頑なに拒否し、失業者楽団は路頭に迷いそうになる。「有名な演奏家や指揮者を見つければ別だ」という言葉に対して、想像はつくが荒唐無稽の行動に出るパッツィ。
レオポルド・ストコフスキーの演奏会、リハーサルも素晴らしいが、フロスト(ユージン・ポーレット)、フルートのマイケル(ミッシャ・オウア)やタクシー運転手(フランク・ジェンクス)などの脇役陣がストーリーを引き締めている。有名な音楽家、指揮者に出演依頼するという後半のプロットは『かれらに音楽を』にも使われるが、こちらは新聞社の勘違いというサイドストーリーもパンチが効いている。
かなりコミカルな展開なのも、飽きずに観られる。大不況時代に夢を見失った失業者たちに勇気を与えてくれる映画。アイドル映画と評されても仕方がないけど・・・
溌剌と活躍する少女の歌と行動力
全5件を表示




