オーケストラの少女のレビュー・感想・評価
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お茶の間向きの楽しい映画
古〜い映画だけれど、本物の指揮者が、映画の中にチラ見せではなく重要な役で登場し、ちゃんと指揮棒も振ってくれる。すごく贅沢。 彼にアプローチしていく過程がけっこう爽快で楽しい。リハーサルを観客席で一人で見させてもらうとか、一流オーケストラの伴奏で自分の歌を聞いてもらい評価してもらうとか、気楽に取った電話でのひとことで世論を動かしちゃうとか。やってみたくても普通は出来ないことが、この元気で真っ直ぐな女のコがやれば、スルスル魔法のように出来ちゃう。 個人的には全体の騒々しさとおめでたすぎる面がちょっと気になるけれど、それは個人的な趣味の問題で、これはこれで完成度が高いのかな、と思う。
名作
フロスト夫人のスポンサー申し出は単なる酔狂だったのか?夫ジョン・フロストは出資を頑なに拒否し、失業者楽団は路頭に迷いそうになる。「有名な演奏家や指揮者を見つければ別だ」という言葉に対して、想像はつくが荒唐無稽の行動に出るパッツィ。 レオポルド・ストコフスキーの演奏会、リハーサルも素晴らしいが、フロスト(ユージン・ポーレット)、フルートのマイケル(ミッシャ・オウア)やタクシー運転手(フランク・ジェンクス)などの脇役陣がストーリーを引き締めている。有名な音楽家、指揮者に出演依頼するという後半のプロットは『かれらに音楽を』にも使われるが、こちらは新聞社の勘違いというサイドストーリーもパンチが効いている。 かなりコミカルな展開なのも、飽きずに観られる。大不況時代に夢を見失った失業者たちに勇気を与えてくれる映画。アイドル映画と評されても仕方がないけど・・・
溌剌と活躍する少女の歌と行動力
ディアナ・ダービンの純真さと誠実さが報われるアメリカ音楽映画の明朗さと愉快さ。映画のひとつの理想の形と表情を持っている。アドルフ・マンジューとミッシャ・オウアの失業演奏家の哀歌。名指揮者レオポルド・ストコフスキーの威厳。最後まで無駄のないカット編集で引き込まれる。人を愛し大切にする人たちが音楽で結ばれる脚本の素晴らしさ。
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