「エリザベス女王の権力者への自覚的な変貌と諜報・秘密警察を担当す重臣ジェフリー・ラッシュの存在感」エリザベス Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
エリザベス女王の権力者への自覚的な変貌と諜報・秘密警察を担当す重臣ジェフリー・ラッシュの存在感
シェカール・カプール監督による1998年製作のイギリス映画。原題:Elizabeth、
配給:日本ヘラルド映画。
第2作のゴールデン・エイジを見てから、こちらを見たが、こちらの方が良かった印象。
日本は戦国時代の真っ最中の1558年(この年、信長は弟を殺害)に、エリザベス女王はメアリー1世崩御により王位を継承。死亡するまで44年間王位にあったとか。
有力貴族ロバート・タドリーに恋していたうら若き女性が、次第に王女の役割を自覚し、権力者に変貌していく様がしっかりと描かれており、感心させられた。後年のケイト・ブランシェットの演技は技巧が見えてしまい余り好きではないが、この映画の彼女の演技はかなり魅力的に思えた。
ジェフリー・ラッシュ演ずる重臣ジェフリー・ラッシュが、非常に興味深かった。当時、国内は反エリザベスのカトリック信者が多く、国を二分。領土的野心からかフランスも女王との縁談を申し込み、ローマ法王と大国スペインは協力してエリザベス排除を画策。お隣のスコットランドも勿論、身近な敵。そうした中、ウォルシンガムはエリザベス女王の支配体制作りに邁進し、敵対者の暗殺もふくめた言わば諜報・秘密警察を担当する。彼は、ローマ・スペインをバックにした暗殺組織を破壊し(その中にはロバートもいた)、エリザベスの指示によりスコットランドに単身乗り込み摂政のメアリー王女母を殺害(これは史実ではない?)までする。
エリザベスの長期政権の基には優秀な部下の存在があったということで、ジェフリー・ラッシュの抑えた演技もとても良かった。英国の最初の成功初期から既に諜報活動があったということで、007の国の始まりということで、随分と納得させられるものがあった。
あと、女王及び女官の衣装や装飾、宮殿の荘厳さはとげも興味深く、見ごたえもあった。
製作ティム・ビーバン、 エリック・フェルナー、 アリソン・オーウェン、共同製作デブラ・ヘイワード、ライザ・チェイシン。脚本マイケル・ハースト、撮影レミ・アデファラシン、
美術ジョン・マイヤー、衣装アレクサンドラ・バーン、編集ジル・ビルコック、音楽デビッド・ハーシュフェルダー。
ケイト・ブランシェット(ブルージャスミン、ナイトメア・アリー等)ジョセフ・ファインズ(ロバート・ダドリー)、ジェフリー・ラッシュ(フランシス・ウォルシンガム)、クリストファー・エクルストン、リチャード・アッテンボロー、ファニー・アルダン、キャシー・バーク、エリック・カントナ、ジェームズ・フレイン、バンサン・カッセル、ジョン・ギールグッド、ダニエル・クレイグ。
Kazu Annさんへ
たくさんの「♥共感」ありがとうございました。
Kazu Annさんのように歴史にも知識があったならば、もう少し理解も深まるのでしょうが、今となっては手遅れ😊
また、この映画.comで色々と教えていただけることを楽しみにしております。