「親からの兄弟の愛情の差は永遠のテーマ」エデンの東 りりまるさんの映画レビュー(感想・評価)
親からの兄弟の愛情の差は永遠のテーマ
聖書とは無縁で生きて来たので、モデルとなった「カインとアベル」は聞いたことある気がする程度。
親から受ける兄弟の愛情の差がテーマですが、これは永遠の問題だなと思いました。
兄弟の父親は周囲も認める善人で、感情的に怒らず真面目で優しく正義感溢れる父親(うらやましい!)。少しヤンチャな主人公が悪い事をした際も愛情を持って接しますが、主人公から見たら兄に向けられる愛情とは違うことで深い悲しみを感じています。
兄もまた心から弟を愛している所が、出来の悪い子供が一人いる家庭でよく見られるのとは違ったケースでいいなと思いました。
その点、兄は父と同じ性格の善人で普通にする行いが父親を喜ばせるので、ますます主人公の孤独感が感じられました。
父親は兄弟に差をつけず、素晴らしい人でしたが、やはり人間同士なので相性があり、こんな素敵な人でさえ難しいのだと思いました。親になった人から見れば少し救いになるかもしれません。
親がどんなに良い人だろうが、親が自分より兄弟を好きな子供にとっては、これ以上ない悲しみでその苦悩が伝わって来ました。
昔の映画ですが、テーマがストレートでいて奥が深いです。設定に違いはあれど、共感できる部分があるのではないかと思いました。
<字幕>
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