「ショートカットのコールが可愛らしい」エイリアン4 ソルトンさんの映画レビュー(感想・評価)
ショートカットのコールが可愛らしい
1作目の宇宙船内というシチュエーションに、2作目のミリタリー要素を組み込んだような作品です。船のマザーコンピューターがファーザーと呼ばれている等、過去作品を意識しているのがよく分かります。ただし内容は残念な所が非常に多いバカ作品と成っています。
まずエイリアンの酸性の血液設定が都合に合わせて出たり出なかったりしています。1作目では船に穴が開くからエイリアンを無闇に攻撃できないという縛りの効果に成っていて素晴らしかったのですが、本作では脱出用の小さな船の中ですら気にせずバンバンエイリアンを撃ち殺します。売人達が最初にエイリアンと遭遇した時、船に穴が開くからと武器を持っていながら攻撃せずに逃げだしますが、追い詰められた売人達を助けに来たリプリーが何の躊躇もする事無く銃で撃ち殺します。
前作の200年後という設定も白けます。生物兵器がナンタラカンタラと言っていますが200年もエイリアンを飼い慣らしたいという欲求が続くとは思えません。リプリーの血液から作り出されたクローンがエイリアンを妊娠しているというのも理解できません。
ニューボーンが産みの親であるクイーンをアッサリ殺したかと思えば、祖母にあたるリプリーには妙になついているのも判らないです。
全体的に芝居じみていて、人の動きで不気味さを演出しようとしています。リプリーは特にその傾向が強く怪しいシャーマンのような感じに成っています。
コールの事をロボットだと分かっていながら人質に取って売人達に武装解除を強要する男、更にスゴスゴと武器を捨ててしまう売人達。アホです。
更に完全版の方ではオープニングがアニメっぽいCG昆虫が出てきて作品に合っていないし、地球は廃墟のような世界に成っていてエイリアンを持ち込むと大変な事に成ってしまう!守らねばって世界でもなくなっています。
1、2作目と同様、エイリアンを宇宙に放出して終わりとする展開、ショートカットのコールが可愛らしい点は評価します。