栄光への戦い

劇場公開日:

解説

一九世紀終末のシベリアを舞台に愛国者の若者と美貌の人妻の悲恋を描く。製作はイヴォン・ゲーゼルと「去年マリエンバートで」「告白」のロベール・ドルフマン、監督はビスコンティの甥で「ロザリオの悲しみ」のエリプランド・ビスコンティ、ジュール・ヴェルヌの原作「ミハイル・ストロゴフ」をビスコンティとジャン・カルロ・ボナが脚色し、撮影は「ロザリオの悲しみ」のルイジ・クヴェイレル、音楽をテオ・ウズエリ、美術をセルジオ・カネバリが各各担当。出演は「バーバレラ」「軍曹」のジョン・フィリップ・ロー、「暴走52マイル」「モア」のミムジー・ファーマー、その他、「サテリコン」のハイラム・ケラー、「野性の眼」のデリア・ボッカルド、クルト・マイゼルなど。テクニカラー、スーパートータルスコープ70ミリ。

1970年製作/フランス
原題または英題:Strogoff
配給:東和
劇場公開日:1971年3月20日

ストーリー

一八六〇年、ロシアの国情は不安定だった。シベリアは、タタール人の侵入により、掠奪と殺戮の血なまぐさい戦場と化していた。シベリアは徒刑囚の国でもあり、帝政に反逆する知識人や貴族、自由主義者達が寒さと飢えにふるえていたがその中で狂暴な野心を抱くオガレフ(H・ケラー)は憎悪に目を輝かせていた。そして、タタール人を母に時つオガレフは侵略者側についていった。皇弟の大公に率いられた兵はイルクーツクで孤立状態となり、危険は目前に迫っていた。一方、数千キロ離れた首都ペテルブルグでは、孤立した大公を救うべき皇帝の密書を携てシベリア生まれの中隊長ミハイル・ストロゴフ(J・P・ロー)が商人に変装して侵略地帯を越えようとしていた。彼はロシアの運命と自己の生命をかけた厳しい旅をふるさとに向けて進み出したのだ。そして、途中で、革命思想の持ち主として徒刑されている夫に会うために、シベリアに向う若妻のナディア(M・ファーマー)と出逢った。二人の旅は寒さと雪、タタール軍に悩まされ、地獄の有様が持ちうけていた。ストロゴフとナディアは互に助けあううちに恋におちた。一方、オガレフはタタール軍の首領フェオファル汗(C・マイゼル)の命をうけ、女ジプシーのサンガール(D・ボッカルド)とともにストロゴフを追っていた。そして、ストロゴフはオガレフの罠にかかり捕えられて、焼刃で眼をつかれ、盲となってしまう。オガレフは皇帝の密使に化け、大公の軍隊を破滅に誘いこむ策略を狙ってイルクーツクに向った。ナディアが傍にいなければ、ストロゴフは絶望のあまり死んでいたであろう。オガレフ等のタタール軍の捕虜の中に母がいたのだが、拷問と、ストロゴフの失明というショックで息絶えた事や、密書の内容が彼等に知れた事が手酷く彼をうちのめしたのだ。しかし、ナディアは彼を励まし、使命を果すようにと彼を導くのだった。そして、筏でイルクーツクへ水路をとった或る朝、奇蹟が起きた。焼けただれた眼を冷やすナディアの手がストロゴフの眼にものの影がよぎる感覚を呼び戻したのだ……ナディアの献身的愛情にストロゴフは感謝し、神に祈った。そして、二人はイルクーツクに着いた。オガレフの陰謀は露見し、フェオファル汗の軍勢を、大公軍や援軍は破ったのだ。侵略軍は全滅した。ロシア帝国をくつがえそうとしたオガレフは銃殺される。しかし、彼は堂々と全身に銃弾を浴びて死んでいった。シベリアに再び平和な日々が戻った。しかし、ナディアは、流刑の地で人民のために自分の生涯を捧げている医師の夫の側で暮す事が、自分の使命と信じていた。だからペテルブルグに帰るストロゴフにはついていかなかった。ストロゴフは彼女の最後の微笑を永遠に忘れないであろう……

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