「「エアポート75」より面白かったぞ」エアポート'77 バミューダからの脱出 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
「エアポート75」より面白かったぞ
①こういうパニックもの・ディザスターものは回を重ねる毎につまらなくなっていくものだが、今回はガチャ目のスッチー(カレン・ブラック)が鬼の様な形相でボーイングジェット機を必死に操縦していたくらいしか印象に残っていない「エアポート75」に比べれば面白かった。②本当は最早「エアポートもの」とは言えないんだけど(だって空港は殆ど出てこないもの)、空を飛ぶ飛行機を海に沈めたところが新味なところか。途中少し中弛みするが、気球を膨らませてジェット機を持ち上げるところはなかなかプロフェッショナルで見応えがある。衣装がイーディス・ヘッドなのもちょっと驚き。③こういう映画につきものの人間模様は相変わらず陳腐(まあ、しゃーないけど)。冒頭のクレジットでは、ジイさんハアさんばっかりだけど一応豪華キャストだ!とやや興奮。ジャック・レモンが男前でマッチョな役をやっているのが珍しいくらいで、あとは平凡。クリストファー・リーが良い人役なのも珍しいが、早めにあっさり死んじゃうというあまり意味のない役で何のこっちゃら。プレンダ・バッカロは好きな女優だが、こういうハリウッド大作のヒロインとしては華がない。キャサリーン・クィンラィンが若くてキレイだが役的には微笑むか泣いてるだけでつまらない。もっとも酷い配役は、リー・グラントでビリングは2番目なのに型通りの夫に愛想つかされているアル中の中年女で、最後もどさくさの中でひっそりと死んでいく役。当時色んな映画にかり出されていたけど、彼女ほどの女優ではこんな役しどころがなかっただろうに。ジョージ・ケネディも出てるだけで何もしない。④あと、ジェームズ・スチュワートが収集した名画はボーイングと一緒に沈んじゃったわけね。ああ勿体ない。それとも後でまた潜って海底にあるジェット機から回収したのかしら。気になる。