噂の二人のレビュー・感想・評価
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深い内容に再鑑賞が楽しみな作品の一つに…
アメリカ文学と映画の関係を解説する書籍で
この作品が採り上げられおり、
鑑賞の切っ掛けに。
なにせ、監督があの「ローマの休日」や
「ベンハー」の巨匠ウィリアム・ワイラー
だったにも関わらず、恥ずかしながら
これまで認識外の作品だった。
しかし、キネマ旬報で第9位との高評価、
更には、なんと、原作の脚本が
「ジュリア」のリリアン・ヘルマン
と知って、ますます期待が高まる中での
初鑑賞となった。
事前の情報を読まなければ、
女同士の関係はビジネス上、
あるいは深い友情くらいにしか
感じなかったであろうとの前半。
しかし、後半になって、程度は別にして
同性愛的要素もあったことが匂わされ、
その結果として世間の糾弾を受け、
二人は社会的地位も失ってしまう
展開になって、更なる悲劇が。
ワイラー監督の2度目の映画化とのこの作品、
1作目では当時の社会的な制約で
二人のレズビアニズムを表現出来ず、
マーサは自殺もせず、
カレンはジョーとの結婚を匂わすとの
ハッピーエンドに満足しなかったための
再映画化だったとのこと。
ところが、2作目の上映時には
時代的にインパクト性を失っており
評価が芳しくなかった皮肉な結果に、
と冒頭の書籍にあった。
しかし、私には意味ある鑑賞となった。
カレンが一人で歩み始めるラストシーンは、
彼女がLGBTQ差別撤廃運動等、
社会運動のリーダーの象徴として
容易に想像出来たので。
前記の書籍では、
“モラル”と
“生物学的再生産性を目的とした…
人間関係から解放された「個人」という属性”
についての作品とあって、
まだまだ深い内容が織り込まれている
ようなので、
再鑑賞が楽しみな作品の一つとなった。
まさか、こんなにビターな映画だとは!!
1961年(アメリカ)監督:ウイリアム・ワイラー。
原作はリリアン・ヘルマンの戯曲「子供の時間」
親友同士の若い女性マーサ(シャーリー・マクレーン)とカレン(オードリー・ヘップバーン)は、
夢だった女子寄宿学校を経営していた。
経営も軌道に乗り、わずかばかりの黒字が出た、そんな矢先。
手に負えない邪悪な生徒メアリーの聞きかじりの嘘。
その嘘を祖母に告げ口したことから、生徒が全員退学する事態に陥る。
舞台劇が原作らしい「会話劇」です。
緊迫感と先の読めない展開にドキドキしました。
マーサとカレンは名誉毀損で裁判で闘うことに。
裁判シーンはありません。
その結果を告げられるだけです。
更に深刻なのはマーサのカレンへの本心。
この事件をキッカケに、マーサみずからパンドラの蓋を開けてしまうのです。
玉虫色の決着も、無かったことにすることもしない2人。
マーサもカレンも、まったく自分を偽りません。
同性愛が罪だった時代。
マーサの決断。
30年後か?40年後だったなら?
時代の不寛容が悲しいです。
正常と異常。
町で女学校を経営するカレンとマーシャが、2人が付き合っているという生徒の嘘によって地域のコミュニティから疎外される話。
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この嘘をついた生徒の子の演技がすごい。子供なのにこんなに嫌な役って他であんまり見た事ない。基本的に子供って純粋でいい子として描かれるからね。
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子供だって人を脅したり、物を盗んだり、悪さをするんだっていうのをこの時代の映画で示したのは結構画期的な気がする。
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映画の中でマーシャがいい年になっても結婚しようとしないことを異常って言うシーンがあるけど、逆に正常な人なんていないでしょ。
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私も自分の考え方が普通とズレてる自覚はあるし、多分皆それぞれちょっとおかしいところがあるんだから皆異常だよ。
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この映画の時代から何年もたってても、今も普通を押しつけられる時は沢山あるし、誰でも生きやすい世の中になるといいよね。
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