有頂天時代（1936）のレビュー・感想・評価

脚本もダンスもおしゃれ。最初、イライラするんだけど、最後に大回収があって泣けて笑えて極上のエンタテイメント。文化のグラデーションについても考えさせられる（アステアが影と一緒に踊るシーンがマイケル・ジャクソンぽいのよ）。

個人的にはストーリー…というか、友達の詐欺師が好きになれなかったので、テンション上がらなかったです。
アステア＆ロジャース作品を連チャンで観てるので、飽きてきたのもあるのかも…
しかし、フレッド・アステアのタップダンスは相変わらず素晴らしくて、ダンスシーン全然飽きずに観られました。
終盤のジンジャー・ロジャースの、背中のあいたドレス姿もとっても素敵でカラーで観たかったです。

それなりに楽しめるフレッド・アステア＆ジンジャー・ロジャース共演作。
本作の白眉は「フレッド・アステアが踊る背景に、同じ踊りの３つの大きな影が映る合成シーン」だろう。

婚約者のあるフレッド・アステアと、楽団指揮者に好かれているジンジャー・ロジャース、この２人が紆余曲折を経て……というドラマは、やはり楽しい。
「ズボンの折り返しネタ」の使い方も上手くて、楽しい（笑）

物語展開の流れをフレッド・アステアが歌う歌詞で表現するなど、監督ジョージ・スティーヴンスの工夫が見られるが、やはり「歌ではなく２人の踊りが観たい」と思う観客の気持ちをもっと取り入れるべきだったと思う。
２人が踊るシーンが素晴らしかっただけに、勿体ない気がする。