「一体総勢何人の出演者がいる?!」イントレランス Marizzaさんの映画レビュー(感想・評価)
一体総勢何人の出演者がいる?!
古代バビロニア帝国での国王と高僧の対立、キリストの生涯における有名な挿話で断片的に構成されたユダヤ篇、サン・バルテルミの虐殺を題材としたとされる政治的決定を下すまでの宮廷内での件や結婚を翌日に控えた娘ブラウン・アイズとその婚約者の末路、現代篇と4つのエピソードで構成されているのだが、整合性のとれた形式によって、それぞれのエピソードが同尺で提示されるわけではない。
それは、D・W・グリフィス監督の映画的なモンタージュや数々の歴史的背景、それに纏わる監督独自の不寛容の視点、壮大なセットの建造、試行錯誤の末導き出したショットといったあらゆる要素が組み合わさってできたある種映像への挑戦がこの映画の凄みを強調させるのではないかと思う。
他方、率直な感想においては、
トーキーがゆえに、役者の表情、息づかいがとても細やかで引き立ち、感情を動かされるなということ。
作中、脳内で何度も"不寛容"について反芻された。
それほど不寛容にまつわる話が立て続けに起こるのだ。
そして時代の変化と共にそれぞれの境遇で悲劇や歴史の再生は繰り返されど、少しずつ希望に向かっていくのが心地いい。
勿論その背景や裏には幾重もの裏切り哀しみ淘汰が繰り広げられているわけだが、それでも人生に希望を持っても良いんだなと思わせてくれた。
コメントする