劇場公開日 1992年10月3日

「見ごたえある作品」インドシナ kakerikoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5見ごたえある作品

2014年10月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

難しい

幸せ

仏統治下のインドシナ(現ベトナム)を舞台に、ゴム園経営主のフランス人母、ベトナム人の養女、彼女達2人を愛したフランス人将校の3人を軸に歴史の大渦に巻き込まれながら逞しく生き抜いた人たちのお話です。ストーリー・出演俳優・映像、すべてがお見事といった表現が当てはまるのではないでしょうか。2時間40分超えの大作は連続大河ドラマ1本分を凝縮したような見応えです。養女の実両親の葬儀から始まり、彼女自身が個を犠牲にし、自らの志に従い行動するまで。そんな彼女をひたすら愛し見守り続ける養母。養母役カトリーヌ・ドヌーヴの凛とした美しさ聡明さにもとても惹きつけられます。そして、先に観た「ミス・ポター」の美しい湖水地方とは対照的に、混沌とした海原をはじめとするインドシナの大自然は暗黒の時代の象徴であるかのように威厳と何かおどろおどろしさが漂っていて、怖かったです。

sonje