「【イタリアの小さな島で暮らす純朴な青年が、チリの高名な詩人と出会い、詩の素晴らしさを学び人間として成長する様を描いた美しくも切ない作品。】」イル・ポスティーノ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【イタリアの小さな島で暮らす純朴な青年が、チリの高名な詩人と出会い、詩の素晴らしさを学び人間として成長する様を描いた美しくも切ない作品。】
■南イタリアの小さな島に、祖国・チリから亡命した高名な詩人、パブロ・ネルーダ(フィリップ・ノワレ)が滞在することになった。青年・マリオ(マッシモ・トロイージ)は、世界中から彼に届く届く手紙を配達するための専属臨時配達人として採用される。
彼はネルーダの人柄と知らなかった詩の世界に惹かれ、友情を育んで行き、その過程で恋する女性ベアトリーチェ・ルッソ(マリア・グラツィア・クチノッタ)を美しき言葉で射止め、人間としても見識を広げていく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・マリオを演じたマッシモ・トロイージが、冒頭では漁にも出ない覇気のない青年であったのが、高名な詩人、パブロ・ネルーダの専属臨時配達人になり、彼から”暗喩”など、言葉や詩の素晴らしさを学ぶにつれ、表情が生き生きとなって行く様を、病を抱えながら瑞々しく演じてる。
彼の、詩の素晴らしさに気付き、様々な”暗喩”を天賦の才で紡ぎ出していく際の眼の輝きが素晴しい。
・そして、彼は居酒屋で働く美しき女性ベアトリーチェ・ルッソの心を射止めるのである。
・だが、パブロ・ネルーダはチリの情勢が変化した事で、帰国してしまうが、マリオは彼への想いを抱き続け、イタリアで共産主義の推進者となって行くのである。一方、マリオは又自分が住む島の様々な自然音を録音し、パブロに残していたのである。
<5年後。パブロ・ネルーダが夫人と戻ってきた時にマリオは居ない。だが、居酒屋にはベアトリーチェ・ルッソと、マリオソックリの男の子が笑顔で待っているのである。
そして、録音機から流れるマリオが録音していた島の美しい自然音。
今作は、イタリアの小さな島で暮らす純朴な青年が、チリの詩人と出会い詩の素晴らしさを学び人間として成長する様を描いた美しくも切ない作品なのである。>
共感ありがとうございます。
美しい島にも、暮らしや思想の問題は発生して来るんですね。マリオの最期や詩人のその後を考えるとやるせない気持ちになりますが、それが人間の生涯って事なんですかね。