「翼を持って羽ばたく言葉」イル・ポスティーノ talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
翼を持って羽ばたく言葉
この映画があまりに好きになってしまった。「グラディエーターⅡ」見てからまた見に行った。再発見が沢山あった(2024.11.15.)
.................................................
しどろもどろにボソボソ話すマリオ、頼りなくて大丈夫?職なしの彼が一時的に郵便配達の仕事を得た。食事中も郵便配達人の帽子被ってるのを、頭の形に帽子を合わせないと頭が痛くなるからと漁師である父親に言い訳するところが妙に可笑しくて可愛いくて笑えた。マリオによれば父親も無口、全く話さない。それがマリオの結婚パーティーで父親は幸せいっぱいの言葉で流暢にスピーチをした。驚きいっぱい!
最初はパブロも自分の為だけの郵便配達人マリオに素っ気なく、マリオは相変わらずもじもじしている。でもパブロの詩集を買って読むようになってマリオの顔が変わってくる!思索する顔、隠喩って何?これ?あれ?語彙が増えていく。ベアトリーチェに恋をしてからは頭の中はベアトリーチェでいっぱい!どんくさかったマリオが見る見るうちにかっこいいハンサムな男に変わっていく!奇跡のようだった。ぼそぼそ話すマリオはもう居ない。かなり親しくなっていたパブロに、恋におちたこと、メタファーなんかを自分に教えたあなたにも責任があるのだから力を借してくれと言い出す。恋の力はすごい。
パブロが詩を書きながら、どんな形容詞がいいかマリオに尋ねマリオが答えるシーンが好きだ。「魚を採る網は?」にマリオは言う「悲しい」。パブロの詩をマリオがベアトリーチェへのラブレターに使ったことをパブロに言われて「詩はその詩を書いた人のものでなくて、その詩を必要としている人のものだ」と言い返すところは見事、その通りだ!マリオはパブロから言葉やメタファーだけでなく考え方も吸収した。
たとえ落胆したとしてもパブロのことを忘れない、感謝しかしないマリオがあまりに健気で真面目で涙がこぼれた。郵便局長の助けを借りて、パブロへの音のプレゼントを作る:海のさざ波、大きな波、父親の悲しい魚の網、茂みに吹く風の音、教会の鐘の音、ベアトリーチェのお腹をパブロが置いていった機器で録音する。自分の言葉でナンバリングとタイトル付けをして、優しい感謝のメッセージと共に美しい島とこれから生まれる我が子の心音を残した。
〉台所
といえば、
最近よしもとばなな原作の映画「キッチン」を見なおしました。
台所はちょっといい場所♪ 僕も母とは台所でいっぱい喋りましたねぇ。だから谷川俊太郎の「あの言葉」にはピンと来るものがある。
ところでtalismanさん
その台所のお掃除はお得意ですか?
運送業の僕は、毎年、年末になると不思議な現象に出会います。ガスレンジが飛ぶように売れるのです。
つまり、汚れに降参した人たちがレンジをお掃除するよりも「ええい!面倒だ、買い替えちゃえ!」って現象なのです。
まあ、それで経済が回るのですから良い事ではあるんでしょうがね(笑)
お休みなさい🌙
良い夢を、そして良いお年を。
¡Que tengas un gran año nuevo! 🇪🇸
「白鳥は悲しからずや空の青」
あの「悲しさ」ではないでしょうか⁉️
名詞に被せて思いがけない=場違いな形容を当てることで、読み手の言葉の引き出しの中から新しいイメージが生まれる化学反応。
感情の中で断層が動くのだと思います。
そこがポエムの面白さですよね。
でも!書き手と読み手の「言葉のセンスの周波数」が合わないと、その形容はただの独りよがりになっちゃって、大コケに滑ってしまうから、難しいところかと。
(自戒をこめて 笑)。
「教皇選挙」にコメントありがとうございました😊
talismanさんとお喋り出来てホント楽しい一年でした。
来年もtalismanさんの追っかけをやりますよ(笑)
お世話になりました、良いお年をー🌈
🔺なんでも悲しいのか、詩的センスのない私はわかりませんでした!網が悲しいという言葉の結びつきはでも素敵!マリオのセンスをネルーダは認めていましたね!
魚を捕る網が何で悲しいのか、魚のいのちを奪うから❓ と思いましたが、とうさんの網がスカスカだから、だったみたいで笑いました。美しいものをひとつひとつ数えていくところ、もっとずっと見ていたいと思いました。マリオは、幸せな人生だったと思っています。
共感ありがとうございます。
初見だったのですが、凄く好みの作品でした。キレイな女性、物騒なジョーク、そしておとぎ話に終わらない苦さ、色んな味が有る料理の様でした、コレもマリオ風?
プロチーダ島なんですね、たくさん情報ありがとうございました😊
talismanさんからの着信が「チャラリン・チャラリン」と続けて鳴ると嬉しくなりますよ。
カプリは、1人で島はずれの民宿で3泊しました。あのあたりの島々は、どれも真っ青な海から切り立った崖が特徴的ですよね。
イスキアとカプリはローマ皇帝たちが所有していた楽園の島。
で、カプリ島の北側にはマリーナピッコラ=ヌーディストピーチがあるんですよ。
あの陽光と海の青さの前では、人が素裸になってしまう事がどんだけ自然なことかってわかりますから。恥ずかしくないの✨✨
今度ご一緒に(笑)
『夜空の満天の星の音』だったかなぁ。
僕はそれだけで泣けました。
閑話休題
ファンタジアのコメントありがとうございます。
話は正確ではありませんが、正直に話しています。本当に昔から僕は運が良い様です。特定の友達がいない代わりに多くの人と一期一会の出会いがあったと言う事でしょうか。問題児でしたから。
夜分遅く長文ごめんなさい。
talismanさん、こちらにお邪魔しますね。だいぶ前に観たんですが、トロイージのイケてなさとフィリップ・ノワレとの掛け合いが楽しかった記憶があります。お二人とも、もう亡くなってるんですよね。残念。
この映画を観たのは、韓国映画『永遠の片想い』(2003)を観てからでした。
『永遠の片想い』の中で『イルポスティーノ』をみんなで映画館鑑賞しているシーンがあったので興味を持った次第です。主演女優のイ・ウンジュが32歳で亡くなったこともあり、どちらの映画を観ても泣くことができます!(自慢)