劇場公開日 1967年7月15日

「結婚とは、女が男に服を脱いでと言うのは洗濯したい時だけだ…と、いうこと。」いつも2人で kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0結婚とは、女が男に服を脱いでと言うのは洗濯したい時だけだ…と、いうこと。

2022年5月9日
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鑑賞方法:映画館

この映画は、端役で出演しているジャクリーン・ビセットに魅せられたトリュフォーが、彼女の主役版でこの映画を観たいと言ったことが、映画自体よりも有名な逸話だ。
確かに、ほんの短いシーンの出演だが、若いジャクリーン・ビセットは美しい。

午前十時の映画祭12にて。

スタンリー・ドーネン監督のオードリー・ヘプバーン主演映画としては3本目となる本作。
ある夫婦の複数の時間帯を同じ旅先のシチュエーションで切り取って見せる、ユニークなロマンスコメディー。
男と女が出会って、恋におち、結婚し、子供をもうけ、心にすれ違いが生じ、そしてどうなるか…を描く。
ドーネンの作品は、ストーリーから逸脱して突飛なエピソードに尺を割いたりして、ストレートに物語を語らない作風が多い気がする。
ヘプバーンとの過去2作品にも、そういう場面はあったと思う。
一方、本作はストーリー自体が無いに等しいのだから逸脱するもなにもない。それでも意味があるのかないのか不明なシーンをちゃんと入れてるから流石だ。

頻繁に時間軸が往ったり来たりするが、全て旅先なので普段の生活風景は描かれない。彼らがどのような夫婦生活を送っていて、あのような気持ちに変化が起きてきたのかは示されないのだ。
でも、結婚経験がある者なら想像できるようなもので、各自各様の想像で補えば良い作りになっている。

時間遷移の演出が凝っていて、ヘプバーンの七変化もあって、見どころが散りばめられている。

kazz