劇場公開日 1989年6月28日

「ルビッチタッチ全開の傑作コメディ」生きるべきか死ぬべきか Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ルビッチタッチ全開の傑作コメディ

2020年5月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ヒットラーのそっくりさんを巧みに利用したナチス風刺と、サイレントの傑作「結婚哲学」を想わせる男女の恋の駆け引きを皮肉たっぷりに、ユーモアも鋭く描いた、正しくルビッチタッチ全開の傑作コメディ。シェークスピア劇のハムレットを演じる座長ジョセフが、ナチスのスパイ・シルスキー教授に成り済まして大芝居を打つ下りが素晴らしい。人を騙すことの可笑しさ、騙す人間が騙させる滑稽さを知り尽くしたルビッチ監督だから表現できる、大人の知的ユーモアを味わう。キャロル・ロンバートの扱い方が巧い。夫ジョセフを愛してると何度も言わせて、妻マリアの浮気心をストーリーの変換に生かし、ラストはジョセフとソビンスキーと観客をも出し抜く強かさと可愛らしさで止めを刺す。

Gustav
瀬戸口仁さんのコメント
2024年10月29日

フォローおよび、多くの共感いただき有難うございます。
(たび重ねのコメントはいたしませんし、ご返答のお心遣い無くてもかまいません)
本作は「メル・ブルックスの大脱走」の元ネタでもありますが、それぞれに良さがあって、こちらのほうはよくこれが当時に公開できたなと思ったものです。
稚拙な文章ばかりのレビューに多くの共感いただき、ありがとうございます。
今後もよろしくお願いします。

瀬戸口仁