「1966年イギリスの雰囲気を」アルフィー(1966) 散歩男さんの映画レビュー(感想・評価)
1966年イギリスの雰囲気を
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数十年ぶりにDVDで再見。マイケル・ケイン好きとしてはハズせないタイトル。
しかしこれは奇妙な映画だ。全編ケインが画面に向かって語りかけてくるのだ。1シーンとか所々なら今でも見かける方法だが、最初から最後までそうなのは他に見たことがない。
そして主人公のモテ男がひどい奴なのである。女をとっかえひっかえ、己のルールでのみ動き、優しさがさっぱり感じられない。
だがなぜだか憎めないのである。それはこのカメラ目線の語りかけとマイケル・ケインのもつ独特のムードのためであろう。
後半はいかにも英国っぽいビターな展開だがギリギリのところで陰惨さは回避し、己の行為を悔い改める呟きと共に映画は終わる。素晴らしいタイトル曲が流れなんだかいい映画だったという気持ちになってしまうのである。
2004年にジュード・ロウでリメイクが作られたのだが(自分は未見)そちらはあまりいい評判は聞かない。主人公が酷い奴なのでケインのようなマジックが働かないと嫌われるだけであろう。
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