アルファヴィルのレビュー・感想・評価
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現代の落語者の末路
自ら知る苦しみと悦びを放棄した人間の末路
ハリウッド映画だった……
ゴダールがまさかハリウッド映画を作るとは
勿論彼がヤワな映画を作るはずもなくかなり誇大妄想的な映画に仕上がっていた
低予算SF映画のお手本みたいな作品に感じた(ゴダールにしては予算がかかってる
直線とガラスの建築、人間味のない役者、途方もない大袈裟な設定、意味有りげな台詞
『時計じかけのオレンジ』が参考にしたそう
洗脳によって人間を改造する点は共通している
多分『2001年宇宙の旅』も影響を受けている
意外とアクションがしっかりしてた
カーチェイスのシーンはゴダール史上最もマトモなアクションシーンだったかな
追記:マルケルの『ラ・ジュテ』の影響ありそう
人間のぬくもりについて
2度目の鑑賞。
1度目のときは、プールでの処刑場面がとても印象に残った。当時はかなり斬新な映画だったのだろうなと思った。
今回は、パリの街で撮影していること、それがすごいと思った。特別なものを使わずに現実にある街をそっくりそのまま異質なものに見せるなんて。どこをどう変えれば異質なものと見てもらえるかがポイントであるわけで、そのへんの作り方というか、本質の捉え方がうまいなと。
ストーリー自体はシリアスで、コンピュータが発する言葉も私にはなかなか疲れる。でも、主人公がスマートに敵をポンポン殺すところや、キャラの設定などは、なかなか軽快でおもしろい。
舞台が現実的なパリの街だということは、制作費が低コストだっただろうということがまず頭によぎってしまうが、よく考えてみれば意味が深い。
一見、合理的に人の生活が営まれ、社会が機能しているふつうの街。だから何も問題はないと錯覚するし、させられる。ふつうに機能しているのだから誰も文句は言えない。間違っていることがあっても、彼らはそのことに気が付かない。気が付かされないよう仕組まれている。
当たり前だと思っている、ということの恐ろしさ。
自分たちがゆがんでいくとき、素早くキャッチし軌道修正していけるだけの敏感さや賢さをもっていなくてはこうなってしまう、ということだ。
この映画では、また、味気ない世界と対比することで、芸術的感性、それを理解する人間の感度というものへの信頼、そのようなものが浮き彫りにされている。
人間のぬくもりを感じさせる、なかなかロマンチックな映画なのだなと思った。
市民プールも新しかった時代
最初…
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