「フランス史上に残る汚点。」アルジェの戦い 孔明さんの映画レビュー(感想・評価)
フランス史上に残る汚点。
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第二次世界大戦後もフランスの植民地だったアフリカのアルジェリアで独立の気運が高まり、フランス政府は運動を抑えようとして軍隊を現地に投入した。
現地の独立運動組織はテロ行為で警察官を多数殺害していく。
さらには女性をも動員して一般市民を巻き添えにするテロ行為を多発。
ゼネストが起こり、国連からも注視されるが国連は積極的な介入を避けてしまう。
フランス軍は町に隠れる開放組織のメンバーを一人一人と追い詰めて逮捕していく。
その際に捕まえたメンバーから情報を得るのに残虐な拷問を多用したことが国際法に違反したとされる。
制作は1966年で、運動自体は1950年~1960年の話なので事件後直ぐに作成されたということになり、現地の人が多数エキストラとして参加しているとのことだ。
「自由」を得る為には大きな代償を支払い、血を流さなければならなかった。
映画自体は「白黒」なので流れ出る血は赤くはない。
それと独立を果たしたのは「テロ行為」があったからではない。
テロが巨大な政権を打倒して独立を果たしたのではなく、最終的な独立は多数の現地人がうねりとなって立ち上がったことに起因する。
この現実の前には「テロ行為」は無意味だと知れるだろう。
ともあれ、フランス政府の対応はフランス史上の汚点と言える。
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