「過大評価だと思う。」或る殺人(1959) KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)
過大評価だと思う。
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意外性もどんでん返しもなく、物語の推進力に欠ける。そして長かった。
主人公の弁護士は、疑わしい部分を抱えつつも被告を信じて弁護し、検察側と渡り合う。
だが、物語のほとんどが法廷シーンで占められ、延々と“裁判の攻防”だけを見せられている印象だ。 人間ドラマも、キャラクターの変化も、驚きもほとんどない。裁判中に「これは絶対勝った!」「いや、逆転だ!」といった起伏もない。
見終わったあとに残るのは、「……なんだかなぁ」という空虚さだった。
結局、被告があのタイプの人間だと途中でうっすら気づくものの、そのまま弁護しきって終わっちゃった。
レイプした女のパンティーを洗濯に出すか?しかも洗濯ものを管理してるのは自分の娘で自分がそのパンティを出したことはバレるのに?
リアリズムで描きたかったようだけど、映画的にちゃんとオチをつけてくれた方が良かったよ。結局、被告は女房がレイプされたので精神がどうかしていたような状態で、殺してしまったのではなく女房が浮気していることを知っていて、計画的に殺したんだって。あるいは、遺産を早く手に入れたい被害者の娘から依頼された殺人だったとか。
ラストの締め括り方で、それを暗示してるような終わり方だったけど。主人公たちが歳を取って達観しちゃってるので、なんともそれが味にはなって・・・
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