劇場公開日 1959年11月14日

或る殺人(1959)のレビュー・感想・評価

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4.0160分もある法廷モノ作品

2020年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ミシガン州のポール・ビーグラー弁護士(ジェームズ・スチュワート)は釣りが大好き、事務員のメイダには給料も未払い状態。さらに相棒となるかつての法律家パーネル(アーサー・オコンネル)は飲んだくれ・・・検事をクビになったばかりで仕事がないのはわかるが、のんびりし過ぎの弁護士事務所。

 そんな彼の元へローラ・マニオンという女性から電話で依頼があるのだが、彼は湖で釣り三昧だったために事件すら知らない。パーネルからとにかく受けろと忠言され引き受けた内容は、ローラをレイプした事実を知らされた夫マニオン中尉がその犯人クウィルを銃殺したという事件だった。

 当初の問題は刑を軽減するか、精神鑑定に持ち込んで無罪を主張するかという点だったが、軍医の精神鑑定で「抗えない衝動」だと認定されたため、無罪を主張する方針になった。さらに、ローラが本当にレイプされたのかどうかという争点も加わり、ビーグラーとしては検察側の主張をあやふやなものにする作戦に出た。こうして検事ダンサー(ジョージ・C・スコット)との対決が始まったのだ。とにかく、この二人の舌戦は凄いです!

 サンダーベイ・ホテルの支配人メアリー・ピラントについての証言はあるものの、二転三転したり、どんでん返しを期待するような作品ではなく、むしろ弁護士と検事の駆け引きを楽しむ映画でした。『アラバマ物語』(1962)のような社会派作品でもないし、コミカルな演出もあるし、どちらかといえば魔性の女ローラの真実はいかに!?的なサスペンス部分にも惹かれてしまう内容でもありました。かなりの長尺のため、もしかするとレイプそのものも無くて、誰かが仕組んだ計画的な殺人だったのか?などとも頭の中が飛んでいったりします・・・

 デューク・エリントンが音楽を担当しているし、スチュワートもジャズピアノを嗜んでいるし、誰かと一緒に酒を飲みながら「あーだ、こーだ」と言って楽しむのも良いかもしれません。

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kossy