ある愛の詩のレビュー・感想・評価
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セントラルパークに独り背を向けて座っているライアン・オニール‼️
愛の物語
ライアン・オニールの健康オーラがハンパない。アイスホッケーでは流血の乱闘、スカッシュでは短パン姿が輝いてる。いい体のうえ、陽気なハンサム。しかし、役柄では強情さが目に余る。ジェニーの賢さと包容力がなければ、オリバーはやっていけないだろう。
難病ものだと思っていたら、闘病期間は短く、出会いから恋愛までを長く描いていたのが意外だった。あと、自分が年を取ったせいか、娘に先立たれるフィルを見てると涙が出た。オリバーに最後の時間を譲ったりして、自分を懸命に抑える姿…つらすぎる。
話としてはシンプルなのだが、あの有名なテーマ曲が入ると、一気にメロウでセンシティブになる。音楽の力が素晴らしい。
BSプレミアムの録画にて。
後悔はなくとも、反芻するしかない心の傷を負った男の正直な愛の物語
一般的な学生運動が終息に向かっていた1970年の時代背景を感じさせず、若い男女の感情や恋愛心理を中心に描いた純正悲恋映画。それも名家の御曹司と家柄の釣り合わない女性との許されぬ結婚の困難さと、そこから幸せな新婚生活が難病によって突如として奪われる展開という、あまりにもベタで陳腐なストーリーでも、公開当時は大ヒットしたという曰く付きの作品です。この時代の潮流になっていたアメリカン・ニューシネマとは全く違う、古典的でオーソドックスな映画も当時の若者に求められていたことは、とても興味深いことです。ただ初見時は原作と脚本を兼ねたエリック・シーガルがハーバード出身の実体験から着想を得たと勝手に想像して真剣に観るのが一寸恥ずかしく思ったものですが、これは見当違いの思い過ごしでした。小説と映画のメディアミックスを意図した制作の強かさが予想以上に成功したようです。
この映画の良さは、先ずアリ・マッグローが演じたヒロイン ジェニファー・カヴァレリの自立した女性像にあると思います。名門ラドクリフ大学で学び、モーツァルトとバッハ、それとビートルズを愛する女子学生で、オリバーが裕福な家柄と知っても物怖じせず、知的で時に辛辣な言葉をオリバーに投げかけても嫌味にならない人間味があります。か弱さとは無縁の積極性を持ち、常に人生の目標を掲げ着実に前進する現代的な女性です。それは日本公開でキャッチコピー扱いだった(愛とは決して後悔しないこと)の英語台詞(愛とは、ごめんなさいを決して言わなくて済むこと)を喧嘩の後にオリバーに語る寛容さと拘りに表れています。お互いに言いたいことを言って喧嘩しても、そこに愛があれば謝る必要はない。何故怒ったのか理解し合うのが愛であるし、その度に謝っていたらよそよそしくなってしまう。ジェニファーがオリバーを純粋に愛しているから言える言葉になっていました。それを翻訳した(愛とは決して後悔しないこと)は真意からは微妙に違いますが、インパクトのある名訳です。ラスト義父フィルと父バレット3世に彼女の臨終を伝えるオリバーが涙を流すのを堪え抜いたのが、その答えになっています。この病院のシーンは悲しくも地味に感動的な場面でした。フィルを演じたジョン・マーリーの演技と、オリバーの為に娘と約束したという台詞が印象的です。父フィルに託したジェニファーの夫想いの優しさが推し量れます。そこからラストシーンになり、映画のファーストシーンに戻り繋がるというオリバーの追憶の語りの新古典主義。後悔はないものの、反芻(何度でも思い出す)してしまうオリバーの心に寄り添った演出でした。
もう一つの良さは、フランシス・レイ作曲のテーマ音楽の魅力でしょう。これは日本語の歌詞に直されて広く歌われて、翌年の「ゴットファザー」の愛のテーマと並んでこの時代を象徴する名曲です。それ以外にも「男と女」から影響を受けたと思われるイメージ映像とロマンティックな音楽の情感の盛り上げ方が奇麗に成されています。雪を食べたり、雪だるまを作ったりと、ふたりが子供のように戯れますが、実際にこんなところを目にしたら風邪を引きますよと言いたくなるような場面です。現実的ではなく、映画だけに許された表現です。それとジェニファーを初めてオリバーの実家に連れて行くのに、真冬にも拘らずクラシックなオープンカーなのが、さぞ寒かろうにと思ってしまう事です。厚手のコートにマフラーを巻いても、これも現実的ではありません。恋する若者の熱量は寒さを感じない演出と言うより、見た目の格好良さと二人の会話シーンを撮り易くした結果と想像します。
主演のアリ・マッグローは前作の「さよならコロンバス」では当時の開放的で進歩的な女性を演じて、今作の古めかしい恋愛映画でもその芯の強さを感じさせています。後に「ゲッタウェイ」で共演したスティーブ・マックイーンと一緒になったことで話題になりましたが、活躍の期間は短い。先日82歳で亡くなったライアン・オニールも70年代がピークの波瀾万丈の人生を送った有名人で、実子のテータム・オニールとの共演作「ペーパー・ムーン」が個人的には一番良かったと思います。父オリバー・カヴァレリのレイ・ミランドはビリー・ワイルダーの「失われた週末」とアルフレッド・ヒッチコックの「ダイヤルMを廻せ!」しか観ていませんが、この貫禄ある演技も印象的。現在から見直してとても興味深い出演者は、僅か数カットながらトミー(トム)・リー・ジョーンズがオリバーのクラスメイト役で出ていることです。私が認識したのが1978年の「アイズ」でフェイ・ダナウェイの相手役を務めた時で、この作品でデビューしたことを知りました。苦学してハーバード大学を卒業した経歴から役を掴んでも、その後1990年代の40代で漸く作品に恵まれるまで長い下積みが続きました。「メン・イン・ブラック」くらいしか観ていませんが、日本びいきのハリウッドスターで渋さと愛嬌を併せ持つキャラクターが好ましいです。
映画は後半が良く、前半はよくあるストーリーでしょう。ジェニファーの高額の治療費を父親に頭を下げてお願いするオリバーの場面がいい。理由を教えない息子に、女性とのトラブルかと疑う父親と、それを受け入れ本当のことを言わないオリバー。男親と息子のこの駆け引きの場面は、ラストの為のシーンであり、オリバーの男の意地が奇麗に表現されていると思いました。
映画の中で病状が悪化したジェニファーが、モーツァルトのイ長調のピアノ協奏曲の作品番号が思い出せないと気落ちするシーンが、その症状の辛さを窺わせます。同じモーツァルト好きとして、他人事ではない台詞でした。(たぶん二つのうちの一つ、23番のK488だと思います)
音楽で9割増
大富豪の御曹司と貧しいイタリア移民の女子大生との純愛っていうけれど、さほどの大恋愛には思えず。
親父に交際を反対されて親子の縁切ったからって、大学には奨学金くれとか申し出る始末。貧困学生のための限りある制度なのに舐めた主人公だ。
最後は大富豪親父に泣きついて妻の白血病治療費を出させるしょうもな息子。
アリ・マッグローも日本の岸井ゆきのタイプでラブロマンスでは感情移入できなかった。
音楽で盛り上げてるだけ。
中学時代を思い出した
愛とは決して後悔しない事
25歳で死ぬのは、この映画を終わらせる為。うまくまとめた訳だ。
フランシス・レイの音楽が流行りましたね。サウンドトラックよりも『アンディ・ウィリアムス』の歌をよく聞いていました。
1970年は僕にとって映画館で鑑賞を始めた年です。また、『スクリー○』を買い始めた年です。何故?買い始めたかは、真ん中位のページに『成人映画』の特集が毎月組まれていたからです。今考えるとませガキだったんですね。この映画もその雑誌で紹介されていたのを思い出します。しかし、ませガキの割には、女性と付き合うなんて、考えられない事でしたので、全く興味は湧きませんでした。それで!翌年に小さな恋のメロディが封切りられて、僕はませガキの本領をはっきすることになりました。
今日が初見ですが、感想は『言うに及ばず』です。
モラトリアム青年と鼻柱の強い不幸な女性の話の様です。振り返れば、この頃はベトナム戦争が色々な国を巻き込んで、混迷を極める時代。こんなラブストーリーで癒やしていてのかと思うとアメリカの白人の怖さに震えてしまいます。
さて、アメリカンニューシネマとはこう言った映画の対局にあった訳ですから、元々がこんな映画ですから、大した事無しと言わざるを得ません。
日本の映画とか少女漫画に影響を与えたと思いますが、日本では未だにこんな映画作っていると思っています。53年も前の映画です。もう、どじょうはトックの昔に逃げているはずです。
この映画の公園はニューヨークのセントラルパークだろうが?ビートルズの好きな彼女は25歳で亡くなってしまうが、13年後、ジョン・レノンは本当に殺されてしまいました。アリ・マッグローさんは88歳でご存命です。
小さな恋のメロディと同じ内容だと思いました。違うのは年齢だけで、可愛らしさなんてすっかりありません。健気でもないのに、突然不幸に襲われる。泣いている暇はないと思いました。
恋愛映画の中ではお手本のような作品
無駄のシーンもなく、見やすいです。
ほぼ2人だけで話が進むので、見やすい。
脇役でトミーリージョーンズが出ていることにびっくりしました。
しかもハーバード大学卒業ということで二度びっくりです。
今では白血病は誰でも知っている病気ですが、
40年以上も前からある病気だと知りました。
今でも治療法が見つからない病であることは変わりないです。
「愛は決して後悔しないこと」
これほど短く心を打たれるセリフはなかなかありません。
音楽が終始暗く、展開を追うごとに暗いトーンにしていくほうが
ストーリーに合っていたような。でも耳に残る音楽は素晴らしいです。
初めに主人公がことの結末を語るのが微妙な気がした。
悲しい物語であると頭に残る。
レイ・ミランド出てます
自立した女性 愛とは覚悟
純愛物語。というより、ジェニーの強さに驚き憧れた映画。
決して、”愛”という名の欲望や思い込みを押し付けあうだけではない。
家族を捨て、愛する人との生活を選んだ男。
成し遂げたかった夢を捨て、愛する人との生活を選んだ女。
大切な何かを得るために、もう一方の大切な何かを捨てる。
周りに流されるのではなく、自分で選ぶ人生。
今よりも親が人生のレールをひきがちなこの年代に、自分の意思を通す。
ヒッピー文化等、親世代とは違う文化を若者が生き始めた時代。
それでも、まだ家族のきずなは強い。
自分を否定した舅・姑のことも思いやるのは、ファミリーの絆の強いイタリア移民ゆえか。
親の価値観の中での”いい子”からの脱却。自分が選んだ最高の女性を認めてくれない親への反発。
親の無理解から、妻を守っているつもりなのに、妻は父と和解しろという。
そんな喧嘩の仲直りの際に出てくる有名な言葉。
「Love means never having to say you're sorry.」 (字幕では「愛とは決して後悔しないこと」)
日々暮らしていれば、元は他人が同居しているのだもの、いろいろな違いは出てくるもの。でも、そこを二人で乗り越える覚悟がなきゃいけないんだなあ、それが愛なんだろうなあ。なんて、結婚に対する思いを新たにさせてくれる。
知的で理性的で、自分の感情すらコントロールするが、だからと言って知的なギスギス女ではなく、遊び心に溢れる感性豊かな女性。
そんなヒロイン像がとても斬新で、憧れた。
かつ、NYの超名門大学卒の二人が選ぶファッション、インテリア、遊びの世界観。
それらに降れるだけで何度も観たい。
そんな彼女との思い出を語るという手法をとった映画。この演出で引き締まった。
ただ、だらだらと二人の恋の起承転結が語られる形だったら、途中で飽きてしまっただろう。”悲劇”という結が最初に示されるので、かえって「どうなる?」と物語に食いついてしまう。
そして有名な音楽。その”悲劇”を、心にしみわたらせてくれる。
物語はけっこうあっさりと展開する。
なのに、あの凛とした女性が…、その妻を思いやる夫の表情…、そして音楽と重なると号泣。
配役も、この二人ありきの脚本だったと聞く。
当時すでにスターの地位を確立していたオニール氏と、新星・マックグロー嬢。
「Love means never having to say you're sorry.」
そんな風に思おうと思えるパートナーとともに作り上げる幸せ。
そんな意思で世界を切り開いていく二人を襲う病。
べたなストーリーでも、味付けによってこんなに変わる。
印象深い、極上のラブストーリー。
ただ、なんでジェニーがオリバーに惚れるのか、今一つしっくりしないんだなぁ。
なので満点ではない。
オリバーがジェニーに惹きつけられるのは判る。
あの、台詞。あの頭の回転の良さ。翻弄されるのだけれど、いつの間にか忘れぬ人となる。
そんなところも魅力的な映画。
内容は薄いがテーマ曲が最高
テーマ曲が好きで、気になっていた作品でした。
50年くらい前の作品なので仕方ないのかもしれないですが全体的に内容が薄いですね、、我儘なお坊っちゃんに振り回される女性。。
名言の、愛とは決して後悔しないことよ
という台詞、どんなすごい場面で出てくるのかと期待しましたが、、あれ?という感じでちょっと期待はずれでした…。
前半はダラダラですが後半展開が早くて、
元気なのにいきなり病気?死?という感じであっけなかったです。
余命幾ばくもないジェニファーが、愛とは決して後悔しないことと言えるのは救いですが、
家族にもジェニファーにも身勝手な主人公が父に言うことじゃないと、、モヤモヤしました。
内容の評価はゼロですが、テーマ曲が好きなので★1.5にしました。
遠い昔に観たはずなのに音楽を聴くと様々なシーンがはっきりと心に浮か...
遠い昔に観たはずなのに音楽を聴くと様々なシーンがはっきりと心に浮かぶ純粋な愛の物語。久々にゆっくり観たがやはりその美しいストーリーには泣けてしまった。幾つになっても何度観ても胸打つのはやはり名作の所以だろう。
モーツァルト、バッハ、ビートルズとオリバー。この台詞がいいですね...
モーツァルト、バッハ、ビートルズとオリバー。この台詞がいいですね。こうした好きな人を同系列に扱うのはこの時代から流行りだしたのでしょうか。さすがに父親のことを「サノバビッチ」とは誰も言わなかったが・・・他にも小粋な台詞「十戒の11番」なんてのも素敵だ。「ジェニファー・バレット・マタニティー・アウォード」も気が利いてます。台詞と言えば一番心に染み入るのが「愛とは決して後悔しないこと」。
名作であり感動もするのだが、どうしてもそれほど好きになれない理由が、アメリカの上流階級の家庭では子息を一人前にするために自活させることがよくあるからで、結局は「可愛い子供に旅をさせろ」的なニュアンスが含まれているだけのような気がすることだ。
とは言ってみたものの必ず泣いてしまうこの弱さ。。。。
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