ありふれた事件のレビュー・感想・評価
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あまりにもリアルなモキュメンタリー
これ以上にリアルな犯罪映画はあまり無いかも…。
リアル過ぎて、最初のうちは気分が悪くなりそうだったが、平気で殺人を続ける風景に見慣れてしまう恐ろしさを感じた。
モキュメンタリー
ドキュメンタリーの様にみせかけるジャンルをモキュメンタリーと言うらしい。
殺人鬼を追うドキュメンタリー風なこの作品。
殺人鬼らしく極悪非道で無計画な主人公が、意気揚々と犯行を重ねて行く姿を延々と見せつけられる。
家族とはかなり良好な関係なのがわかるシーンが挟み込まれるのが印象的だが、大きな話ばかりする主人公に虫酸が走る。
それだけ入り込んでしまったくらい不快な気分を味わせてくれるのは、ある意味凄いのかもしれない。
本当は★0.5付けたい位に不快!!
だけど映画としての出来は良いんだよな、面白い。
でも不快に不愉快にヘドが出る程に主人公がまずムカつく顔から喋り方から全てが!
きっと友達なんて殆どいない人生を歩んで来たんだろうってな性格だし友人関係もパッとしない連中だし家族もどっかオカシイ。
撮影隊が自分に興味を持ちメチャクチャ嬉しくて毎回が得意げに上機嫌で慣れたら傲慢になる一方で。
鑑賞中、アノ顔を観ているだけでボコボコにしたい衝動に駆られてしまうイライラが募りヤッパり暴力には暴力で対抗するしかない人間の愚かさってか演技が巧いからこその憎らしさ!!
映画はチャント理不尽な悪を野放しにはせずにシッカリ解決してくれるが精神的に苦しむだけでは足りない肉体的にも苦しんでって位に奴の行いは卑劣極まりない。
秀逸
モキュメンタリーの傑作。POVの効果をこれでもかってくらいに活かしまくり、絶妙な編集&演出でもってこれまた絶妙な時間に纏めた良作。
馬鹿な事言って上機嫌のブノワが不意にヤバイ眼でこっちを観た直後にカットを入れる手法とかゾッとするし、録音担当がブレスレットを探しに階下に降りている時の音の演出も面白い。
唯の残虐映画ではなくあの手この手を尽くし、社会風刺も盛り込んだ知的作品。
それにしてもこのブノワとクルーや周囲の関係性を観ていて途中とてつもない既視感に襲われたけど、たぶん北九州の事件と被るんだと思った。『冷たい熱帯魚』かとも思ったけど、少し質が違うしな。
明らかな狂気が慣れによってありふれたモノになっていく過程とか、ほんと怖いわ。
非情のヌーベルヴァーグ
白黒画像を見ていると、スタイリッシュなフランス・ヌーベルヴァーグ作かと錯覚してしまうが、この非情で不条理な暴力で我にと返る。あのミヒャエル・ハネケの「ファニーゲーム」に先駆けること5年。ヨーロッパの負のパワーは本当にものすごい。ベルギーとドイツには旅行に行きたくなくなるわ!冗談だけど(笑)
ベルギー
高校生以来久々に見る。心臓病持ちのおばあちゃんを脅して殺す、黒人警備員を殺してパンツをズラしてデカさを確認等アイデア満載。なんか記憶だと東欧の映画で、主人公がジョンルーリーに似てて、とか思ってたが、諸々記憶違いだった。千鳥格子のジャケットがカッコ良い。にしてもちょっとネクロマンティックとか死の王、ピッドギャーニーとかと同列なカルト映画。まぁこちらはかなり完成度高めだが。暴力度が相変わらず高い。同時期のレザボアドッグスと表裏の関係。おばあちゃんも殺すし、子供も絞め殺す。90年代のバイオレンス映画はアングラ感があってちょっと怖いくらい。
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