アリスの恋のレビュー・感想・評価
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エレン・バースティン、さすがアカデミー賞主演女優賞受賞の演技に拍手...
エレン・バースティン、さすがアカデミー賞主演女優賞受賞の演技に拍手。若きハーヴェイ・カイテルや幼きジョディ・フォスター、口の悪いダイアン・ラッド(ローラ・ダーンのお母さん)、歌わないクリス・クリストファーソンもイイ感じ。日本で初めて公開されたスコセッシ監督作品らしい。息子くんが鏡に向かってオモチャの銃を向けるシーンとか『タクシードライバー』を彷彿とさせる?楽しい映画でした。
目指せ、モンタレー!?
アリスの幼少場面、まるで往年のハリウッド黄金期かのような雰囲気とオープニング、画面いっぱいに覆われた赤色から不穏感漂う演出が印象的。
ハーヴェイ・カイテルの登場で流れる「I Will Always Love You」のオリジナルはカントリーでホイットニー・ヒューストンはカバーだった、にしても稀に見る最悪なクソ野郎を演じたハーヴェイ・カイテルに対して最高に優しくて渋味のある男を演じたクリス・クリストファーソンの好感度だけが爆上がり、そして男のコみたいなジョディ・フォスターの不良感!?
店が忙しくて回らない状態で身勝手過ぎる熟女ウェイター二人組にイライラしながら一人でテンパってるウェイターにもイライラする、何を根拠に歌手を目指すのか、アリスには同情や共感すら出来ない、最後まで冷たい視線で息子を含め、これからの人生は親子共々、デヴィッドを労れ、アリスと息子に呆れ果て見限ってしまう自業自得なバッドエンドを撮り直せないか??
本物の恋に出会うまで、
意外なことにこの映画の監督は、マーティン・スコセッシです。
1975年(アメリカ)
ごく普通のラブストーリー、ごく平凡な女性が主人公です。
主役のアリスはエレン・バースティン。
夫を事故で亡くして、途方に暮れたアリスは、自分の夢(故郷のモントレーで歌手になる)
モントレーを目指して、オンボロ車一台にボストンバッグ1つで向かうのでした。
途中で仕事を探して移動して、また仕事を探す。
生意気な一人息子のトミー。
息子ってまだオチビ(11歳位かな?)でも、母親にとっては、話し相手だし、コンパスなんだなぁ。
彼なしでは前へ進めない。
この映画は未亡人の苦労はなしですけれど、アリスがウェートレスをしてる店の常連客の
デヴィッド(クリス・クリストファーソン)が本当に素敵でした。
妻子に逃げられた牧場主の役なんだけど、こんなセクシーな男に想いを寄せられて、
好きにならない女性がいるでしょうか?
クリス・クリストファーソン。
有名なカントリー歌手で、有名な俳優です。
「スター誕生」の何回目かのリメイクで、バーブラ・ストライサンドの相手役の、
飲んだくれのロック歌手役でした。
この映画を観たとき、なんて素敵な男性なのかと思いました。
レディ・ガガの相手役のブラッドリー・クーパーに匹敵する男性でした。
この映画でも、アリスに勿体ないくらいセクシーでしたね。
彼がギターを弾きながら、ほんの数フレーズを歌います。
お金を取れる声、雰囲気、声のチカラ!
聞き惚れます。
対してアリスの歌。
(エレン・バースティン、下手、お金を稼ぐ声じゃない。)
トミーのギター教室の友達に、まだ12、3歳のジョディ・フォスターが出演してます。
最初の町で言い寄ってくる青年にハーベイ・カイテルが出てます。
好青年かと思っていたら、お約束のキレっぷり。
スコセッシ監督作品の常連、ちゃんと役割りを果たしてくれます。
(監督も出演してるとありましたが、分りませんでした)
町一番のダイナーの活気と美味しそうなメニュー。
ウェートレス仲間の人間模様。
アメリカっぽい映画で面白かったです。
標準演技指導要領
主演女優の演技を見る映画です。名演技というよりは芝居達者。一つ一つの演技、仕草、表情が変幻自在で演技の卸問屋です。女優目指す人はこれで勉強すればひと通りの芝居技法が身につきます。たいした話でもないのに最後まで面白く観られるのは、具体的にはわかりませんが演出のメリハリが効いているからでしょう。スコセッシ君はこういうアメリカの庶民階級をそのまんま撮るとうまいんですね。セリフも洒落ててよい。英語わかればもっといいんでしょう。
女性の自立と成長へのエール
流石はスコセッシ監督と言わざるを得ない
すべての設定や登場人物のリアルさは半端でない
主演のエレン・バースティンの演技は正にオスカーを獲るのは当然と思える出来
特に不倫DV男の怒鳴り込みでのパニックの様子は迫真さはものすごい
クリス・クリストファーソンの演技も光った
うざい子供役も素晴らしい
物語は家庭の中で孤立して暮らす主婦が、夫の事故死で強制的ながら自立を目指すと言う物語
35歳、小学生の男の子の母
それしか肩書きがない女性が、元歌手に立ち返ろうと自立を目指すロードムビー
顔はブスではないが美女とはとても言えない
スタイルはデブではないが中年らしくだらしなく肉がつきかけている
元歌手といえど、下手ではないが聞き惚れるレベルではとてもない
何もかもその程度、考えも甘いし、子供にもなめられている
そんな女性がもがき苦しみながら、自立に向かって前進する物語
彼女が成長したからこそ、デヴィッドも彼女に関心を寄せ求めたのだ
昔のままのアリスなら彼は関心を持たなかったろう
終盤のカフェでの二人の言い争うシーンは素晴らしい
デヴィッドの思いもつかない発言には息を飲む
私は歌手なの!と胸を叩いて主張するアリスになったからこそ、彼はあの決定的な言葉を口にしたのだ
目を見張るシーンだ
そして拍手のシーンとなる
このカタルシスの作り方は本当に見事だ
21世紀の現代ではシングルマザーが当たり前の世の中になっている
それでも本作は女性の自立と成長へのエールとして価値を失うどころか増しているのではないだろうか
エレン・バースティンが素敵です。スコセッシ監督の音楽センスの良さ...
エレン・バースティンが素敵です。スコセッシ監督の音楽センスの良さも全体を盛り上げてます。フロー役のダイアン・ラッドもいいです!汚い言葉連続の彼女にも愛があります。トイレでの相談は何故か印象に残ります(笑)。そして、息子トミー!こんな息子は要りません(笑)
途中の結婚していた男のエピソードは、これでいいのか?と疑問を感じたのですが、これを上手く処理していたら満点ですね。一番印象に残ってるのが「ダイアナ・ロス!」の台詞だったりする
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