「アメリカ南部の人種差別は根強い」アラバマ物語 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカ南部の人種差別は根強い
1930年代のアメリカと言えば、ニューディール政策で黒人やヒスパニックといった有色人種が支援の対象外となるなど、人種差別もまだまだ根強かった時代。とりわけ、今作の舞台であり、南北戦争以前は黒人の奴隷制を認めていたアメリカ南部は、差別も強烈なものだったはずだ。作中でも、証人の証言の矛盾を明確に暴いているのにもかかわらず、被告人を有罪とする理不尽さが描かれている。また、障害者に対する差別も根強かったことが窺える。
そのような黒人や障害者に対する差別を、純粋な子供の視点を通じて描く。差別に関して子供らしい無邪気さを発揮する子どもたちを、父親であるグレゴリー・ペック演じる弁護士アティカスが、教え諭すという構成を取ることで、差別を批判するメッセージが込められている作品。
アティカスの人物描写がよくできているのも、この作品を魅力的にしている。子どもたちを叱る際も声を荒げることなく、優しく教え諭している良い父親だ。彼の弁護士業が原因で学校で揉め事を起こす娘に対して「差別を受けている被告人の弁護を止めてしまったら、お前を叱る資格が無い」と言うところが、筋が通っていて魅力的だ。
ストーリーは、アティカスの熱心な弁護にもかかわらず裁判が有罪で終わることでリアリティが出せている。しかし、最後に隣人のブーが子どもたちを助けてくれる結末にすることで、後味の良い構成にできていたのが良かった。
本作凄く清廉潔白な父親像弁護士像が描かれていて、レビューにありますように、子供に対しても正義を貫く様を見せていて大変好感が持てます。
古き良きアメリカ🇺🇸の父親像でしょうか。
共感コメントありがとうございました😊
『ローマの休日』で最初にグレゴリー•ペックの名前が出て来ます。
オードリーが主演女優賞を受賞したし、世界中に大人気なので
そうなったのでしょう。紳士的なグレゴリー•ペック無しにはあそこまでの成功は無かったかも。