「一時代を画したミュージカル映画の傑作」雨に唄えば 細谷久行さんの映画レビュー(感想・評価)
一時代を画したミュージカル映画の傑作
久しぶりに観てみた。この映画の背景には、サイレント映画からトーキー映画に移行する時期に困惑し、何とかそれに適合しようする、俳優、映画人たちの人間模様をいわばハリウッドの内幕ものとして描いてるように思われる。底抜けに明るく、ともするとドタバタ劇ととらえかねられないが、そこは厳しいリハーサルを積まれていてダンスなどの演技にキリリとした律動と華麗さがあって楽しめる。リナの悪声と厚顔さに辟易し、女優の卵キャシーと恋仲のドン(ジーン・ケリー)、その親友のコズモ、現場の所長らがリナを追い詰めていく過程が面白く観られる。バックのダンスもお見事。
これはミュージカル映画として不滅の光を放っていくことだろう。
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