「キャストの素晴らしい演技に共感した」アマデウス よーまるさんの映画レビュー(感想・評価)
キャストの素晴らしい演技に共感した
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サリエリはモーツァルトの才能や素晴らしい音楽を聴き、彼は神に愛されているが、自分は彼の才能を理解する能力を持っているというような事を言っていて、モーツァルトに対して憎しみの感情を抱いてしまう。しかし、サリエリはモーツァルトの作る音楽に対しては決してけなすことができない。自分も音楽を作っている身からして、サリエリにとても共感してしまいました。才能を持っている人を見ると、なんで自分には無いんだろうとか、才能を持っている人も努力しているのに、才能を持っていない自分は努力したって追いつくことができないのではないかと思ってしまうことがよくあります。しかし、才能を越すことができる唯一のものは努力しかないと思うので、才能を前にして、憎むことなく、努力する事が最善であり、自分は自分であり、自分にしか表現できないものがあり、それによって、どれだけの人に音楽を楽しんでもらうか、そこが大切であると思います。憎しみからは憎しみしか生まれません。
最後のシーンでモーツァルトの「ピアノ協奏曲第20番ニ短調 第2楽章」が流れ、彼の笑い声がするシーンを見て、神を憎み、自分は神に愛されていないんだと思って生きてきた人に対してそれを否定するかのように、モーツァルトの素晴らしい音楽が流れていると思いましたし、モーツァルトと精神病患者やサリエリとの対比も感じられました。
才能を前にして、賞賛し、自分は自分と割り切り、努力することができるか、自分には才能は無いと思い、憎しみを選んでしまうか。それを芸術家は試されているのかなと思いました。
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