劇場公開日 2015年10月31日

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暗殺の森のレビュー・感想・評価

全38件中、1~20件目を表示

3.5動乱の時代に求める「普通の人生」。

2024年7月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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すっかん

4.5美しいイメージの連なりと残酷な歴史の連なり

2025年8月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

見事、と、もう言い切るしかないです。
時系列のめちゃクチャな映像の連なり、その映像のイメージのバキバキさ、ガンギマリのイメージの中の圧巻のモブダンスシーン、だけでもうありがとうございますしかないです。
あんな乱暴なツギハギの編集なのになぜだかわかるストーリーもどうして?映画だから?と思うしかないです。
観たことない名作ってきっとまだまだたくさんあるんですよね。

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あした

5.0圧倒的な美

2025年8月17日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

興奮

驚く

ドキドキ

とにかく美しい絵がずっと映っている映画。撮影、照明、美術、衣装すべて素晴らしい才能の結晶。

ただ、バレエ教室でのドミニク・サンダのレオタード姿はちょっと笑った。

あと、主人公の秘めたる内面は、結婚前の告解のセリフですべて吐露するところに度肝を抜かれた。

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エリセ

3.0ラストシーンでの主人公の振り返りは“順応”への憂いなのか…

2025年4月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

もう40年近くも前に観た映画だが、
「暗殺のオペラ」と共に、
理解がほとんど及ばない記憶のままに
なっていたベルトルッチ監督作品。
当時は「1900年」も「ラスト・エンペラー」
も観ていない頃だったと思うので、
彼のことは前衛作家の域を出ない
新人監督との印象だったろうか。

ところで、原作本のタイトル
“順応主義者”の邦訳名は
“孤独な青年”とのことだが、
“順応=孤独”とは逆のようにも思え、
ピントこない印象の中、
ほぼ忘却の彼方だったこの難解な作品を
興味深く再鑑賞し始めた。

しかし、何とも気怠いタッチの作品で、
この後の監督作品とは少し雰囲気の異なる
観念的な作風に、
今回も難解に感じる鑑賞となってしまった。

分からないのが、森の中での
主人公と他の暗殺者との関係だったり、
大臣の机の上の女性やかつての娼婦に
教授の妻が似ていて気を引かれたとしても、
妻の方はどう主人公に魅了されたのかや、
そもそもが同一人物としようとしているのか
が私には不明で、
この作品の没入感への妨げになった。

さて、
主人公のラストシーンでの振り返りは、
少年期での誤解からスタートした、
己の所業への後悔の念や、
この先も続くであろう“順応”への憂いなのか。
原作本のタイトルで使われた“順応”は、
一般的にはポジティブな意味合いが強いと
思うのだが、
この作品での主人公の“順応”とは
“時代に流され迎合する”、あるいは
“大勢に逆らわない”と言ったような
ネガティブな印象。
そうだとしたら、
当時のイタリア国民と同様、
太平洋戦争時の日本国民のほとんども
似たような“順応”だったように、
国を問わず、戦時における国民の“順応”は
避けることの出来ない事象なのだろうか。

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KENZO一級建築士事務所

3.0体制の崩壊と精神の崩壊

2025年3月19日
PCから投稿

第二次世界大戦時のイタリアが舞台。
当時のイタリアはファシスト党が統治しておりこれはファシズムの語源となっております。
主人公はそのファシスト党の党員となり、森で暗殺するというストーリーなのですが、なかなか面白かったです。
第二次世界大戦が終結に近づきファシスト党が崩壊していく様子と、主人公が信じていたものが実はそうじゃなかったと知り精神が崩壊していく様子が描かれ、その対比が見事でした。

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みる

3.5震える魂よ 肉体に宿りし友よ

2025年3月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

難しい

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こころ

2.5圧倒的な映像美とは対照的な人間の醜さ

2025年2月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

監督・脚本ベルナルド・ベルトルッチによるアラベルト・モラヴィア原作『孤独な青年』の映像化。第二次世界大戦前夜のイタリア。哲学講師マルチェッロは、13歳の時のトラウマから、“普通になりたい”と願い、盲目の友人イタロの仲介でファシスト組織に加わり、秘密警察として働く事になった。やがて、マルチェッロは任務を通じて自らの優柔不断さに苦悩していく。

イタリアやフランスのパリの街並み、暗殺計画の舞台となる森に至るまで、全編に渡って映像が美しい。荘厳な音楽も相まって、まるで絶えず絵画を眺めているかのよう。
しかし、作品を通して描かれるのは、1人の男の矮小さと卑怯さ。愛する者の命の危機を前にしても、殺すことも救けることも出来ない優柔不断さと、ファシストの崩壊により全てを失ってしまう悲惨な末路だ。それを描く過程に特段のドラマ性や悲劇性が感じられず、退屈に感じてしまった。

マルチェッロを誘惑するアンナとの熱愛も、過去に娼婦として働いていた彼女を互いが覚えていたという接点こそあれ、お互い既婚者(しかも、マルチェッロは新婚旅行の最中)でありながら、それでもリスクを冒して激しく惹かれ合うだけの説得力は無いように感じられた。

印象的なのは、マルチェッロの護衛兼監視役のマンガニエッロが暗殺の行われた森で口にした台詞だ。
「どんな仕事もするが、卑怯者の相手は御免だ。卑怯者と同性愛者とユダヤは、まとめて銃殺してやりたい」
凄い台詞だが、これまで母親の情夫を自分に始末させ、任務に怖気付き、車の窓一枚挟んだ先で怯え助けを求めるアンナを傍観する事しか出来なかった卑怯で優柔不断なマルチェッロを見てきた彼ならではの台詞だ。

ラスト、街で偶然にも殺したと思い込んでいた自身のトラウマの元となった同性愛者のパスクアリーノに出会い、混乱から彼に自らが犯してきた罪を着せようと大声を上げる様子。唯一の友人であったイタロを雑踏の中置き去りにする様子は、普通になりたいと願いながら、遂には何者にもなれず、1人社会に取り残された弱い人間の姿だ。

圧倒的な映像美とは対照的に、どこまでも醜く描かれる人間の弱さ。マルチェッロのようにはなりたくないと願わずにはいられない。

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緋里阿 純

2.5映像と雰囲気は洒落ている

2024年7月11日
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時折、意表をつく映像がパッと入ってきてその点は洒落ていていいと思った。 しかし ストーリーがあまりにも退屈すぎる。 退屈な ストーリーを演出するのが この映画の持ち味でいいところだとも思うが。主人公が自分を見失っているというか 自分の 迷子になってるという雰囲気にイタリア語のイントネーションがとても合ってると思うし。しかし、これだけ 退屈だとさすがにモたない。 ストーリーが程よく退屈ならばよかったのである。ある意味 さじ加減の非常に難しい演出法であり、 そのさじ加減を監督は間違えたと思った。もうちょっとだけ面白いところを狙って欲しかった。

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KIDOLOHKEN

2.5古い、ただそれだけ。 込められるモノが時代を超えて何もない残念な映画。

2024年3月13日
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古い、ただそれだけ。
込められるモノが時代を超えて何もない残念な映画。

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mucya

4.0【弱冠29歳のベルナルド・ベルトルッチ監督がファシズムに翻弄される性的トラウマに悩まされる青年の生き方をシニカル極まりない美しき映像で描き出した作品。】

2024年2月18日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

■大学の哲学講師・マルチェロ・クレリチ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は、13歳の時に彼を犯そうとした同性愛の男リーノを衝動的に射殺してしまう。
 以来、罪の意識を抱えるマルチェロは熱狂的なファシストになっていった。
 ある日、マルチェロはイタリアのファシスト政府から、学生時代の恩師でパリに亡命中のルカ・クオドリ教授の調査を命じられる。

◆感想

・人は如何なるきっかけで、ファシストになるのかを描いた作品である。マルチェロ・クレリチは、確たる政治思想無しに、性的トラウマを克服するための手段として、ムッソリーニの思想に同調していく。

・今作が恐ろしいのは、人がファシストになる切っ掛けのハードルの低さであり、自覚の低さが見事に描かれている点である。
ー ベルナルド・ベルトルッチ監督は。その点を痛烈に批判している。
  シニカルな要素を持って・・・。-

■”体制順応主義者”になったマルチェロは、恩師ルカ・クオドリ教授夫婦の森の中の暗殺に協力するが、彼の視界の中で行われるスローモーションで描かれるルカ・クオドリ教授夫婦の暗殺シーンは、彼にとっては自身の崩壊を告げるようである。

<そして、マルチェロがファシズムに奔った理由となったリーノとの再会シーン。実にシニカルである。
 今作は、ファシズムの愚かしさをシニカルな視点で描き上げた壮大な抒情詩なのである。>

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NOBU

3.5良かった

2023年11月30日
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ややファスビンダー味を感じた一本
スクリーンで観たかった

構図や音楽が素晴らしい
見応えのある演出だった

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JYARI

3.5解説動画は蛇足そのもの

2023年11月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

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只野京

3.0これが名作なのかと疑う。私の正直な感想。

2023年11月19日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

 私の理解力が足りないのだろう。この映画の良さが分からない。名のみ知っていて中身は知らなかった。もう50年も前の映画だ。私が高校に入学した頃に公開された映画で、当時のドミニク・サンダの美貌だけが注目された映画だった記憶がある。

 原作はイタリアの作家モラビアで、最近光文社古典新訳文庫で翻訳された。「暗殺の森」の原作と知っていたので、本屋で手に取ったら、大部で読む気をなくした。まさか午前十時の映画祭で上映されるとは思ってもみなかった。

 レビューをみると高評価が並んでいるし、一度は観ておくべき映画と思い鑑賞したが、結果はタイトルの通りである。

 全体主義が勃興し始めた頃のイタリア(ドイツ、スペイン、日本も同様)で、主人公の精神の彷徨を描く物語のように思う。私の理解力が不足しているので、これ以上語ることは出来ない。

 同性愛やデカダンス、退廃美を描くのならば、同じイタリアのルキノ・ヴィスコンティの「地獄に墜ちた勇者ども」の方が一枚も二枚も上だったし、ファシズムの恐怖や退廃美を味わうことが出来る。こちらを午前十時の映画祭で上映すべきだ。私には一度鑑賞すれば良い映画であった。もしくは原作を読んでいれば違う感想が書けたかもしれない。

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いなかびと

5.0今、見ることができてよかった

2023年11月17日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

この映画は自分は見ることはないだろうと勝手に思っていたが見てよかった。すごく面白かった!映画(構成、照明、映像、衣装、配役)としてもちろん、そしてメッセージが重くて大きかった。

「普通」ってよくつかう言葉でこの映画でもnormale, Normalita`が主人公の口から何度も出る。でも「普通」という抽象概念を具現化する事は誰にも出来ない。その代わりに勝手に人間は思い込む:隣の人、他の人、大勢の人達がやってることに倣えばいいんだ、みんなと同じことしていればいいんだ、それが多分「普通」なんだ。その「普通」ができれば安心だし目だたない。なんだかすごく日本的!めんどうくさい、疲れる、だから思考停止、だからみんなと一緒で付和雷同。それが脳みそにとっても一番楽で心地よい。でもそれが駄目なことは歴史が教えてくれている。大変でもまずは、個人個人が自分の頭と心を使って考えることだ。誰かに何かに安易に頼ってはいけない。個人は素晴らしい、それが大衆になるとおかしくなる。

自分自分に捕らわれて「普通」になるためだけにファシストになって、愛し尊敬していた人を殺すことも助けることも何もできない体制順応者、マルチェッロ!「女性」の柔軟さと賢さと自由を、体制順応者になりやすい「男性」に身に付けて欲しい。

おまけ
マルチェッロの見張り役マガニエッロを演じていたのはガストーネ・モスキン❗️「ゴッド・ファーザーPart Ⅱ」で若きヴィトー(デニーロ)に殺される、白スーツのドン・ファヌッチを演じ、お色気コメディ「黄金の7人」や「続・黄金の7人 レインボー作戦」でも大活躍してました。再会できて嬉しかった!

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talisman

3.5ベルトリッチの濃厚な悪夢的な映像、行ったり来たりする物語にクラクラ...

2023年11月17日
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ベルトリッチの濃厚な悪夢的な映像、行ったり来たりする物語にクラクラした。
盲目の人々やファシズムと反ファシズム、強者と弱者の立場が時代の変化で変わっていく。

午前10時の映画祭で鑑賞

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madu

4.5それは善悪ではない

2023年11月16日
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鑑賞方法:映画館

いやあ、すごいものを見た。個人の負った傷を修復しようとすることが、国家や思想・理念への同一化とそこからの決別に繫がるさまが、美しく描かれている。/個人の過ちに正当性を与えるのは誰なのか、権威に対する告発と、あまりにも脆弱な個という存在を描く。/きっと愛を探しに行くのね(私ではだめなのね)。

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ouosou

5.0至福の美をご馳走様です

2023年11月16日
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有難う御座います

上質なワインの香穂り🍷

(え?葡萄ジュースとの違い?あー俺もよく知らんけどワインは飲んだら酔うんじゃなかった?たしか🤔)

言語の響きがいちいち美しい。

神算を舐める。
こんな世の中なら産まれたくなかった。

僕が生まれる10年も前にこんな映像美を作れるなんて何て天才なんだ🎓✨!!

張りつめた美しさの撮り方はゴッドファーザーに1歩近づいているが
1人の人間ですら殺すのが怖い、そういう意味ではゴッドファーザーと対照的だ✋

私はこの世で1番憎んでいる「犠牲」という存在にさえ首をしめて殺す勇気がないだろう、今は。しかし環境が変われば俺は人を殺める事が出来るのだろうか?それが分からない、その事が怖い。

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ミスター

2.5ザ・ピーナッツみたいな

2023年11月15日
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鑑賞方法:映画館

怖い

エンドタイトルの歌詞で、ふわふわしっ放しの主人公がテーマなんだと再認識させられた。この辺りは「福田村事件」のARATAや村長に通じる?
画的に美しい、それも絵画的な印象を受ける。ダンスシーンの二人の美しさにも萌えるけど、やはり森でのシーン。あまり血が流れない所が寒々しい。
眠気に耐えた後、最後に見せられた町山解説、ぶち壊し。せめてもう少し短く!!

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トミー

4.0これぞプロ‼️というのを見せつけられるのはけっこう楽しい

2023年11月12日
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鑑賞方法:映画館

町山智浩さんの解説付き、午前十時の映画祭にて鑑賞。

これぞ映画評論家‼️
という見事な着眼点と根拠となる具体的なシーンの説明に大納得。

上映前編と後編があるので、二度三度と楽しめます。

映画自体は、1970年の作品ということで、最近の映画を見慣れた目には、微妙にテンポが合わず、乗り切れないところもありましたが、町山さんの解説込みで振り返ると、ふむふむとうなづけるし、演出上の工夫もへーそうなんだ、となります。

あと、〝普通になりたい男〟というひとつのテーマが、50年以上経た今でも普遍性を失っていないことを、あらためて認識。
『正欲』もアプローチの仕方や主要テーマの押し出し方には違いがあるけれども、かなり共通する部分があります。
ヒューマンドラマの多くは、普通ってなに?から派生して、総論各論をアレコレ取り上げてる。
50年後も100年後もそういうことの繰り返しで映画が作られているのだと思います。
AI支配が進んで、人間の悩みなんてどうでもいい、なんて時代になってないことを祈ってます。

クリストファー・ノーラン監督の新作『オッペンハイマー』への影響にも触れており、この先の楽しみも増えました。

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グレシャムの法則

3.0倒錯とファシズムの迷宮

2023年11月11日
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ミステリアスな邦題に惹かれながら長い間未見だった作品ですが、内容もミステリアス過ぎてよく分からないと言うのが正直なところでした。映画では時代背景などの説明が全くないので、予備知識なく観るとなかなかつらいです。イタリアの秘密警察の青年が、反ファシズムの教授を暗殺にパリまで来たけど、なんとなく踏ん切りがつかないまま、クライマックスの暗殺の森へとつながるお話しだけど、ものすごくテンポが悪いし、主人公の心境の変化がわかりにくいので、寝落ちしそうになります。とは言え、ヴィットリオ・ストラーロの映像は雰囲気があり、ストーリーを追うより映画が描く時代や風俗の映像を楽しむ方にシフトすると、妙に納得できてしまうから不思議です。ドミニク・サンダとステファニア・サンドレッリのダンスシーンは、艶かしくスキャンダラスなムードで全篇中の白眉だし、冬のパリの青みがかった風景の中に佇むジャン=ルイ・トランティニャンの立ち姿も渋いです。役者三人とも、みなさん雰囲気があって魅力的でした。

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シネマディクト