「 次男夫婦ブリック(ニューマン)とマギー(テイラー)の夫婦関係は冷...」熱いトタン屋根の猫 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
次男夫婦ブリック(ニューマン)とマギー(テイラー)の夫婦関係は冷...
次男夫婦ブリック(ニューマン)とマギー(テイラー)の夫婦関係は冷え切っていた。とは言っても、ブリックが一方的に夫婦関係を拒んでいた。そんな時、父親(アイヴス)が65歳の誕生日を迎え、家族が久しぶりに集合していた。彼は大病院で精密検査を受けて、自家用飛行機で大農園に帰ってきた。医者は長男グーパー(ジャック・カーソン)とブリックにだけ、余命を告げたのだが、他の者は知らずに誕生日を祝っていた。
ブリックは足を怪我していて以来現役を退き、今では飲んだくれのアナウンサー。夫婦関係が冷え切った理由は途中まで明かされなかったが、親友のスキッパーが自殺してから妻を疑うようになったからだ。
兄は弟だけ可愛がる父親が嫌いだったが、莫大な遺産を相続する権利を主張する弁護士でもある。ブリックは人生に投げやりで、財産なんて要らないとうそぶく。家族たちのウソが嫌で大邸宅から逃げ出そうとしたブリックだったが、止める父親につい余命のことを口走ってしまい、父親は地下室に閉じこもってしまう。そしてブリックとビッグ・ダディとの会話が本音で話し合うところがいい!一文無しから大農園という帝国を築き上げたダディ。旅行鞄しか残さなかった貧困労働者の父を恥ずかしく思っていたが、本物の愛があったことを知らされる・・・
嘘で固められた家族に再び絆を取り戻したような内容だったが、面白いのはグーパーの妻(マデレーン・シャーウッド)が相続の取り分に固執する厭味ったらしい女を演じていたこと。最後には「妊娠してるの」と明らかな嘘をつくマギーがとてもいい。「愛は金で買えない」なんて当然のことに気づくのもアメリカならではだな。
いろいろと調べてみると、ブリックとスキッパーの関係は同性愛だったこと。これが曖昧にされているため衝撃度も少ないのだが、後半の展開はそんなことを忘れさせてくれる。