「【”綺麗な年上のお姉さんは好きですか？””はい、大好きです。”恋心も知らない少年5人が経験した美しい女性への憧れと屈折した思いを描いた作品。そして、少年達は恋心とは何かを学んだのである。】」あこがれ（1957）　NOBUさんの映画レビュー（感想・評価）

■ベルナデット（ベルナデット・ラフォン）は風を切って、スカートの裾を翻しながら自転車を漕いでいる。
　まだ恋心を知らない5人の少年は、美しい年上の女性・ベルナデットを追い回す。
　彼女が乗り捨てた自転車のサドルに鼻を近づけて、クンクンの残り香を嗅ぐ少年達。
　彼らは、彼女と恋人ジェラール（ジェラール・ブラン）のデートの邪魔をすることにする。
　だが・・。

◆感想

・男は、小さい時から綺麗なお姉さんが好きである。（私だけ？）この短編映画を観ると、ベルナデットが自転車を漕ぐ姿を、遠くで観て、彼女が乗り捨てた自転車のサドルをクンクン嗅いでいる。おバカだが、気持ちはよく分かる。

・少年たちは、ベルナデットと恋人ジェラールが、楽しそうにテニスをする姿も、コレマタ林の中でコッソリと見ている。そして、ボールが飛んできた時に、ベルナデットにそのボールを拾って渡して上げてから、又、クンクンしている。おバカだが、気持ちはよく分かる。

・そして、徐々に少年たちは、ベルナデットと恋人ジェラールがデートしている後を追いかけ、映画館では邪魔をするのである。重ねて書くが、おバカだが、気持ちはよく分かる。

＜だが、ある日、ジェラールが戦死した事を聞かされる。そして、黒い衣装に身を包んだ笑顔無きベルナデットが歩いてくる姿を、コッソリと見るのである。
　少年たちが、自分達の行いを反省し、初めて恋心を知った瞬間を見事に切り取っている。今作は、少年達の姿や、ベルナデットと恋人ジェラールの躍動する姿が印象的な作品なのである。＞