「子供や犬にも一切の容赦ナシ」悪魔の毒々モンスター 因果さんの映画レビュー(感想・評価)
子供や犬にも一切の容赦ナシ
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子供と犬は決して殺してはならないという不文律に真っ向から歯向かう不謹慎映画。
毒液の中に落っこちたことで人間離れしたパワーと容姿を手に入れてしまった男が街に蔓延る悪者たちを次々打破していくんだけど、そのやり方がエゲツない。腕をもぎ取ったり頭を潰したりするのはまだ優しい方で、生きたまま煮えたぎる油の中に手を突っ込ませたり顔をドリルで抉ったり、およそ正義のヒーローとは思えない。
また彼は事故前から恋愛に興味があったのだが、吐瀉物のごとき容姿の彼を異性として認識してくれる者は当然いなかった。彼の恋路はどうなるのやらと心配していたところ、目の見えない白杖の美女が出てきてなんとなく流れを察した。
最後は毒毒モンスター男を殺そうとした悪徳市長がこれまたエゲツない返り討ちに遭って死ぬんだけど、それを見ていた街の人々は大喜び。悪人とはいえアンタらの目の前で人が死んでるんですが…笑
一応は因果応報の復讐モノの体裁を取っているにもかかわらず、徹頭徹尾ナンセンスな不謹慎ギャグを貫き通したことに素直な賞賛を送りたい。
主人公が自身の肉体に何らかの不可逆的支障を抱えているという共通点からもわかるように、おそらく本作の下地は『デスレース2000』だ。思えば序盤で悪ガキたちが「誰々を轢き殺したら◯◯点!」みたいなことを言ってたけど、これも明らかなオマージュだし。
『デスレース2000』は後腐れのない不謹慎映画の金字塔として名高いが、本作はその正統なる思想的後継者といえるかもしれない。そんなもん継承してどうすんだよ…とも思うけど、時折どうしようもなく見たくなるんすよね、こういうの。
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