黒豹

劇場公開日:

解説

小泉譲の原作を「母波」の田辺朝二、新人斎村和彦(大映助監督)が共同脚色し、「新婚のろけ節」の田中重雄、渡辺公夫がそれぞれ監督、撮影にあたった。音楽は「怒れ三平」の飯田三郎。「雨月物語」の京マチ子、「母波」の三益愛子、「山下奉文」の信欣三、「怒れ三平」の菅原謙二、高松英郎、星ひかる、「縮図」の菅井一郎などが出演。

1953年製作/86分/日本
劇場公開日:1953年6月17日

ストーリー

戦争末期の上海。--大陸戦線の膠着にいらだった日本軍部は、重慶との和平工作をはじめたが、その衝にあたる中国要人や日本将校たちは、何ものかの手でつぎつぎ暗殺されてゆく。捜査に行きなやむ憲兵隊に何かと情報を提供する貿易商呉世宝を、大陸新報の若い記者藤川は犯人と見ぬいていた。呉は戦争商人であり、和平工作はその商売の邪魔にちがいないのである。同じ上海の貿易商でも良心的な和平論者である李秋英は、一夜キャバレ・メトロに呉をたずねて忠告した帰途、呉一味の手で横死をとげる。当夜、メトロに来合せ森川などと話しあった重慶の女スパイ李秀蘭は、秋英とその妻--れっきとした日本人である孝子との間に生れた娘だが、呉から父の仇は日本の特務機関とたばかられて、ますます日本への憎悪を強めた。が、森川は秀蘭に愛をかんじそめている。呉の情報で秀蘭やその上司崔正操など重慶側諜報員が会合するアジトを知った憲兵隊は、突如襲撃する。秀蘭に野望をもつ呉はどさくさまぎれに彼女を拉し去ろうとするが、森川が危険を冒していやがる彼女をじぶんのアパートに伴いかえった。はじめは毒づいた秀蘭も、森川の純潔な愛を知るにつれ、幸福感は抑えがたい。憲兵隊の要請で重慶へ和平の密使として出かけることになった森川のために、彼女は呉の手から重慶行パスポートを奪いまでした。二人は秘密裡に緒婚する。が、父の仇としった呉を停車場によびだし、射殺しようと追いつめた彼女は、断末魔の呉の口から重慶のスパイであることがばれ、憲兵隊に逮捕される。銃殺寸前、任務から復帰した森川の口より前後の事情があきらかにされ、情状酌量が加えられて死刑を免がれた。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く